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虹にのらなかった男
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エレベーターに乗ったアムロは、浮かない顔だ。

その気持ちはよくわかる。

「一応、ノア少尉のフォローもしておくとしよう。
彼は軍歴たったの6ヶ月だ。
そんな彼が艦長を勤めるほど、この船は切迫している。
彼もかなり追い詰められているようだ。
あまり彼を責めないでやってくれ」

アムロからの返答は以外な物だった。

「…アベル中尉に先に言われてなかったら、僕もショックを受けてたと思います」

「そうかい?」

「はい」

あれ…? アムロってこんなに素直なキャラだっけ…?

まぁ、鬱ぎ込まれるよりいいかな。

「あ、アムロ。ガンダムの整備、参加するか?」

「いいんですか?最高機密ですよね?」

「機密もクソもあるか。責任はシャアに尻を狙われたまま入港したアホどもが死後の階級でとってくれる。
しかも君はカシアス中佐のお墨付きだ。
今さら君を整備に参加させた所で問題ない。
それにサイド7の技術士官は全員この艦に乗っている。君は少し手伝うだけでいい。
とにかく機体への理解を深めるんだ」

「わかりました」

MSデッキに行くと、テムさんに呼ばれた。

テムさんはガンダムの膝部関節のチェックをしている所だった。

「ご無事で何よりですテムさん」

「君こそよく無事で」

互いに握手をする。

「息子さん。素晴らしい腕ですね。
リミッター有りとはいえ、ガンダムをあそこまで…」

「私も驚いているよ」

テムさんが遠い目をする。

「ホワイトベースの中より、ガンダムの中の方が安全だとは思わんかね、アベル君」

ガンダムを見上げる。

「ええ、ルナチタニウム製の多重装甲と同じくルナチタニウム製の脱出ユニット。
RXシリーズのコックピット以上に安全な場所など戦場にはありますまい」

「…こんな筈ではなかったのだがなぁ」

子を持たない俺には、その悲痛な声は理解できない。

「整備には息子さんも参加させます。機体への理解を深めるべきだと判断しました」

「正しい判断だ。アレなら余計な事もしないだろう」

機械オタクだしな。

「では私はガンファイターの整備に行きますので」

「ああ、少し待ってくれアベル君」

「なんでしょうか?」

「タバラ軍曹達に指示を出してきてくれ」

「タバラ軍曹達に、でありますか?」

「ああ、どうやら私は邪魔者扱いらしくてね。
指示の通りが良くない上に医務室を薦められたよ」

いや、貴方が怪我人だからだと思います…

「怪我人だからでは? 今の貴方を見れば私だって医務室を薦めます。
足、折れてるんですよね?」

「なに、鎮痛剤を打ってある。たいした事はない」

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