第四十五話 二学期になってその二十一
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「困った癖性分ですよね」
「そうした子だって意外で」
そうはです、とても見えないので。今も。
「驚いているわ」
「けれど実際にそうなんですよ」
「そうなのね」
「そこは何とかしないとって思っていても」
「難しいのね」
「嫌いになると止まらないんです」
自分でも困って言う阿波野君でした。
「これが」
「癖性分をなおすことは難しいけれど」
「僕の場合は特にですね」
「特に、かしら」
「自分ではそう思いますけれど」
「確かに困った癖性分だけれど」
それでもとです、私は阿波野君に答えました、
「難しいかっていうと」
「特に、ですか」
「そこまではいかないと思うわ」
「そうなんですか」
「もっとややこしい癖性分の人いるから」
世の中にはです。
「だからね」
「僕は特に、ですか」
「ええ、人の好き嫌いがお顔に出る位はね」
「嫌いがなくて大嫌いになるのも」
「まだね」
それで嫌いな人を全否定することもです。
「物凄く厄介とまではいかないわ」
「そうですか」
「ええ、ただ癖性分はね」
そのこと自体はと阿波野君にお話しました。
「なおした方がいいわ」
「自分がそう思うならですね」
「そう思ったらその時にはじめるものだから」
思い立ったらその日が吉日、おみちの教えの一つです。
「だからね」
「わかりました、僕もそうします」
「そういうことでね」
「はい、何とか」
「というかそんなに嫌いな相手には顔とか態度に出るの」
「そうなんですよ」
「それは本当に意外だけれどね」
今見てもとてもそうは思えないです、阿波野君がそうした人とはです。
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