第百三十二話 事件の終演
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」」」
「メルカッツ大将を上級大将にミッターマイヤー、ビッテンフェルト両准将を少将へ叙任する」
「「「御意」」」
メルカッツもミッターマイヤーも皇帝陛下直々のお言葉に感動し,ビッテンフェルトは初めての事に借りてきた猫の様に大人しくなっていた。
活躍した者達の論功行賞が終わると、いよいよ事件の全貌と共に捕獲された叛乱首謀者唯一の生き残りフレーゲル内務尚書、テレーゼ皇女暗殺未遂事件の関係者リッテンハイム侯爵、ヘルクスハイマー伯爵に対する処罰が言い渡される。
陛下の前に跪くウィルヘルム・フォン・リッテンハイムIII世、跪かないが神妙な趣のクリスティーネ・フォン・リッテンハイム、サビーネ・フォン・リッテンハイム。そして、青い顔で跪いているヘルクスハイマー伯爵、ヘルクスハイマー夫人、マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー、それを冷ややかに見つめる参加者達。
特別に検察官の役目を与えられていた、ケスラー少将によりフレーゲル元内務尚書の罪状が読み上げられていく。そしてワイツの件もあり辞意を示していたが、皇帝より慰留されたリヒテンラーデ侯がルンプ司法尚書に目配せして裁きを言い渡さす。
「フレーゲル元内務尚書、自らの野望のためにクロプシュトック侯爵に迎合し社会秩序維持局を使いテロ行為を行うとは言語道断、拠って極刑を申し渡す」
何か反論しようとするが、それも許されずに宮中警備隊によりフレーゲル元内務尚書は引き立てられていった。
続いて、リッテンハイム侯爵の番である、テレーゼ皇女暗殺未遂事件自体は自分のあずかり知らぬ事と言い張り、ヘルクスハイマーに罪を1人被せては居たが、それでもクロプシュトック侯の陰謀に自分が巻き込まれたと知り益々自分は無罪であると考え始めていたが、それでも皇帝の前では跪かなければ成らない状態に些か憮然とし始めていた。
しかし、直ぐにその甘い考えも吹っ飛ぶ程に皇帝の自分を見る目が冷たい事に気づくのである。
「リッテンハイム侯爵」
「はっ」
「卿はテレーゼ暗殺未遂事件に何の関係もないと言うのじゃな?」
「御意、私が皇女殿下に害意を得るなど天地神明にかけ全くあり得ない事に御座います」
「成るほど」
リッテンハイム侯は陛下の言葉にホッとした表情を見せるが、そうは問屋が卸さなかったのである。
「侯爵、聞くところによると、サビーネを皇位につけたいと常日頃から内々の宴などで話しているようじゃな」
リッテンハイム侯は陛下の言葉に再度真っ青になる。
「いいいえ、その様なことは・・・」
「無いと申すか。幾人もがその事を予に知らせてきたわ」
テレーゼ皇女暗殺未遂事件の主犯として擬しられている間に、リッテンハイム侯を見限った貴族達がご注進に上がって居たのである。
「陛下、あれは酒の上での冗
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