第百三十二話 事件の終演
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いた。
広大な黒真珠の間にと違い大勢の人間が集まると少々手狭の青翡翠の間ではあるが、皇帝の玉座に近い位置には大貴族、高級文官、武官が文官と武官に分かれて列を作って並んでいる。
一方の列には文官が並ぶ。リヒテンラーデ国務尚書、カストロプ財務尚書、ルンプ司法尚書、ウィルへルミ科学尚書、ノイケルン宮内尚書、マリードルフ典礼尚書、キールマンゼク内閣書記官長。
反対側の列には武官が並ぶ。エーレンベルク元帥、シュタインホフ元帥、クラーゼン元帥、ブラウンシュバイク上級大将、ライムバッハー上級大将、グリンメルスハウゼン上級大将、オフレッサー大将。
古風なラッパの音が青翡翠の間に響く。その音とともに参列者は皆姿勢を正した。
「全人類の支配者にして全宇宙の統治者、天界を統べる秩序と法則の保護
者、神聖にして不可侵なる銀河帝国フリードリヒ四世陛下の御入来」
式部官の声と帝国国歌の荘重な音楽が耳朶を打つ。そして参列者は頭を深々と下げる。
ゆっくりと頭を上げると皇帝フリードリヒ四世が豪奢な椅子に座っていた。皇帝は跡継ぎを失った失意に嘆いているかと思った貴族、政府高官、軍高官は、皇太子自身が弑逆未遂犯とは知らずに皇帝の毅然とした姿に流石は陛下と感心する者達が多数居たのである。
「宇宙艦隊司令長官エッシェンバッハ殿」
式部官の朗々たる声がエッシェンバッハ元帥の名を呼んだ。
「エッシェンバッハ元帥、先の叛乱時、フレイヤ星系より素早くオーディンへ帰還し、反乱者クロプシュトック候爵領の制圧見事であった。此処に此を賞す」
「ありがたく幸せ」
皇帝自らの言葉にエッシェンバッハ元帥は恐縮しているが、数日前に『陛下の危機に艦隊が留守でお役に立てず、臣として宇宙艦隊司令長官を辞任する』と辞意まで示したエッシェンバッハ元帥に対して陛下が親しく話しかけ、一念発起した後であるので陛下のお褒めの言葉に深々と最敬礼を行う。
その後順番に各人の叛乱時の功績が読み上げられ論功が発せられていく。
「装甲擲弾兵総監ライムバッハー殿」
「ライムバッハー上級大将、予は卿の働きでこの様に無事で居られる」
「勿体ないお言葉」
「ライムバッハー上級大将を元帥に処し同時に近衛兵総監に命じる」
「御意」
「装甲擲弾兵副総監オフレッサー殿」
「オフレッサー大将、卿の働きで予もテレーゼも無事であった」
「勿体ないお言葉」
「オフレッサー大将を上級大将に処し同時に装甲擲弾兵総監に命じる」
「御意」
「ローエングラム大公領警備艦隊司令官メルカッツ殿、宇宙艦隊所属ミッターマイヤー殿、ビッテンフェルト殿」
「卿等の働きがなければ、オーディンがクロプシュトックにより攻撃されるところであった。よくぞ守り抜いてくれた」
「「「勿体なきお言葉
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