十七匹め
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ってみるといい」
「きゅぃ」
ボーデンが胸元からシラヌイを抜き、地面におろす。
獣化を解いたシラヌイは50メートルほど先にいるスライムを見据える。
「あれってさわったらマズイんでしょ?」
「まぁ、青は基本的にただの水だから問題ないが…
まとわりつかれたら死ぬぞ?」
「え?ただの水?」
「スライムは液体に自分の魔力を通して動かしてるからな」
「じゃぁスライム・コアって…」
「スライムの本体だ。上手く躾れば役に立つからな」
「へぇー…。じゃぁちょっとやってみるか…」
シラヌイがスライムへ歩きだし、その後ろをボーデンがついていく。
「なんかあればアタシがどうにかする。
お前は安心していいぞ」
「安心感のある冒険って何なんだろうね」
「冒険?これが? くく、御坊っちゃまにとっては城壁から出るだけで冒険か」
「ばかにしないでくれ…」
「そう怒るなって…帰りもぱふぱふしてやるから」
「なんで異世界にぱふぱふがあるんだよ…
いやオノマトペだからあり得なくはないけどさ…」
シラヌイとスライムの距離が縮まった。
シラヌイの正面にスライムがいる。
自分に近付く存在を察知したスライムが、エサを求めて動き出す。
にゅぅぅ〜ん…と触腕を伸ばす。
シラヌイは何もせずつったっている。
スライムの触手がシラヌイに迫るッ!
「シラヌイ!」
「よっしゃきたぁ!」
ボーデンの心配する声を他所に、シラヌイは触手を掴んだ。
とぷぅん…とシラヌイの腕が粘液…魔力を含んだ水に沈む。
「これでも喰らいなぁ!」
シラヌイはスライムの触手に対し、魔力を流した。
スライムの魔力が抵抗となるが、直ぐに押し負け、スライムの全身にシラヌイの魔力が回る。
まるで毒のように浸透したシラヌイの魔力は、スライムの魔力を断ち切り……その形を崩壊せしめた。
パシャッ…と水が崩れ、コロコロとスライム・コアが転がる。
シラヌイはそのゴルフボールほどの球状の物体を天高くかかげ…
「スライム・コア!獲ったどー!」
「アホかお前は!?」
ボーデンがペシッとシラヌイの頭を叩く。
「なに?」
「なに? じゃねぇよ!危ない事すんなよ!」
「え?でもなんかあったらボーデンが助けてくれるんでしょ?」
「そうだけど…そうだけども!」
「…?」
コテン、と首を傾げるシラヌイに頭を抱えるボーデン。
「次からスライムに直接触れるのはナシだ」
「わかった」
「ほら、コアわたせ」
「はい」
ボーデンは受け取ったコアをローブのポケットに入れた。
シラヌイは辺りを見回して、ス
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