十七匹め
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「よーし!スロータークエ開始!」
「テンション高いな、お前」
ギルドへの登録を終えたシラヌイとボーデンは王都城壁の外に出ていた。
フライハイト王国王都リベレーソ周辺は、王都を囲むように畑や牧場が配置されている。
「だって初クエストだよ!」
そのはしゃぎ様は年相応で、ボーデンはクスリと笑った。
「さて、じゃぁスライム討伐いこっか」
「本当ならとめるんだがなぁ…。
お前相手だとスライムの方が可哀想で仕方ないぜ」
ボーデンの目に映るシラヌイは丸腰だ。
ひらひらと風に揺れるワンピース。
戦いなんて考えてない可愛らしい靴。
一切の防具も武器も持っていない。
「ボーデン。スライムってどこら辺に出るの?」
「知らないで来たのかよ…」
「知識としては知ってるけど、僕お屋敷から出たこと無いんだよね」
「過保護すぎる…」
「だから出現ポイントまで連れてって?」
「はいはい…」
歩きだしたボーデンの後を、シラヌイは狐の姿となって追いかける。
シラヌイは初めての城壁外に興味深々だった。
ボーデンが足元できゅーきゅー言っている狐に目を向ける。
「……………」
ボーデンはシラヌイをヒョイと抱き上げ、その豊満な胸元にスポッと入れた。
「きゅー?」
「いいから。お前放っといたらどっか行くだろ」
「きゅー…?」
「お前は歩かなくていい。私はお前のもふもふを感じられる。
win-winってやつだ」
「きゅ…………きゅぃ?」
「おう。下着つけてねぇぞ」
「きゅ」
「誰が痴女だコラ」
「きゅー。きゅ。きゅー?」
「うるせー。おとなしくアタシのたわわな胸を堪能してろ」
「きゅぁ…………きゅぅ」
「怖い事言うなよ。お前がシェルム先生に言わなけりゃいいだけじゃねぇか」
「きゅぅー…」
「ま、おとなしくしとけ」
ボーデンはシラヌイを胸元に入れたまま歩きだした。
ボーデンの部下の錬金術師連中が見たら嫉妬心でダイナマイトを開発しかねない状況である。
四半刻ほど歩き農業エリアを抜けると、ボーデンが一度足を止めた。
「シラヌイ。見えるか?」
「きゅ」
ボーデンの指差す方にはうねうね動く一メートル程で不定形のナニカ。
某龍探しのような可愛らしい姿などではない。
目も口もない青い液体。
「あれがスライムだ。体は粘液でできていて、まとわりつかれると窒息しかねん。
あと粘液は酸だったり毒だったり媚薬だったりするからそこも気を付けろ。
弱点はスライム・コア。ソコを破壊すればすぐに形をうしなう。
あとコアは高値で売れるから余裕があるならコアだけ抜き取
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