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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第53話 グランセル城での戦い
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剣な表情で何か意味ありげな言葉を話す。するとミュラーは思い悩む表情を浮かべると、渋々とオリビエを離した。


「……全く、貴様は普段はおちゃらけている癖にここぞという時に真面目になりおってからに……分かった。もう止めはしない、貴様に何かあったら俺も腹を切ってやる」
「あはっ、やっぱりミュラー君は僕の事が好きなんだね。今回の作戦が終わったらベットでしっぽりと……」
「なるほど、今死にたいようだな。ならばお望みどおりにしてやろう」
「じょ、冗談です……」


 頭に剣を突きつけられたオリビエは、両手を上げてミュラーに謝った。そんなオリビエに対しミュラーはため息をつくと、リィン達の方に振り向き話し出した。


「お初にお目にかかります、クローディア姫殿下。自分の名はミュラー・ヴァンダール、エレボニア大使館駐在武官を務めている者です」
「ご丁寧にありがとうございます、ミュラー様。本来なら他国の方々にこのような迷惑をかける訳にはいかないのですが……」
「いえ、お気になさらないでください。皇帝陛下をお守りするヴァンダールの剣を持って貴方様を守護させて頂きます」


 ミュラーはクローゼに自己紹介すると、今度はリィンの方を振り返り声をかけた。


「リィンは数日ぶりだな。このバカに付き合わせてしまった事を謝罪させてもらおう、済まない」
「まあもう慣れちゃいましたよ、それにここにいるのは俺の意思なのでそんな謝ってもらわなくてもいいですよ」
「そう言って貰えると助かる。本当なら俺もコイツに付いていきたいのだが、大使館駐在武官である俺が迂闊な行動をすれば大きな問題になってしまう。故にこの程度の事しかできないんだ、本当に済まない」
「十分すぎるくらいですよ、貴方ならクローゼさんを安心して任せられます」


 ミュラーは大使館駐在武官としての立場がある為に迂闊なことは出来ない。故にこれ以上の介入は無理だと彼は言うが、クローゼを保護してくれるだけでもリィン達からすれば有り難かった、これで後ろを気にせずに作戦に集中できるだろう。


「クローゼさん、後の事は俺達に任せてください」
「リートさん、皆さん……どうかご無事で」


 クローゼはミュラーに連れられて帝国大使館の方に向かった、ミュラーなら敵に見つからずに無事に帝国大使館まで行けるだろうとリィンは考えてヨシュア達に声をかける。


「クローゼさんを保護してもらったので、俺達も地下水路に降りるとしましょう」
「ああ、地下水路なら西街区から入れたはずだ。武術大会の合間に修行で使っていたから間違いない」
「なら西街区に向かおう、でも敵の捜索には注意しないとね」


 リィン達は敵の捜索をかいくぐりながら、西街区に向かい地下水路に降りる。


(へえ。
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