第53話 グランセル城での戦い
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シェラザードとフィーが現れた。二人は泣いてしまったクローゼをあやすエステルを見て、ほっこりと笑った。
「あっ、フィルにシェラ姉。もう準備は出来たの?」
「ええ、こっちはいつでも飛ぶことが出来るわ」
「ふむ、ならば俺達も急いで待機場所に向かった方がいいな」
シェラザードの言葉を聞いたジンは、そろそろ出発したほうがいいと発言した。
「よし、じゃあ僕達はクローゼを護衛しながらグランセルに向かおう」
「……ヨシュア、気を付けてよね。くれぐれも無茶なんてしちゃ駄目なんだからね」
「うん、気を付けるよ。君も気を付けてね、エステル」
互いに視線をかわして頷きあうエステルとヨシュア、二人は必ずまた無事な姿で会うという約束を胸に秘めてそれぞれがするべきことを果たすために歩き出した。
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エステル達と別れたヨシュア、リィン、オリビエ、ジン、クローゼは敵の見張りをかわしながらグランセルに潜入した。街には至る所に見張りが配置されており、重苦しい空気が立ち込めていた。
「殺伐としていますね、あちこちに見張りばかりで移動するのも一苦労です」
「離宮を落とされて敵さんも必死なんだろうな、しかし何とも物々しい雰囲気だぜ」
建物の物陰から辺りを見ていたリィンは、慌ただしく辺りを走る特務兵を見てため息をついた。
「それでオリビエさん、大使館からの使いはまだ来ないんですか?」
「いや、そろそろ来るする手筈なんだけどね。もしかしたら迷っているのかな?だったら僕のリュートで……」
「馬鹿か、そんなことをしたら目立つだろうが」
リィン達の背後から声が聞こえた、彼らが振り返るとそこにはミュラーが立っていた。
「やあミュラー君、君が来るのを心待ちにしていたよ」
「……もう俺はストレスで死んでしまうかもしれんな」
「ええっ!?それは大変だ!一体何が原因なんだろうか?」
「貴様が原因に決まっているだろうが!!」
何時ものようにとぼけた態度を取るオリビエに、ミュラーは目にも止まらぬ速さでアイアンクローを仕掛けた。
「オリビエ、貴様一体何を考えているんだ!ただでさえ貴様はマズい立場にあるというのに、クーデターを阻止する作戦に参加するだと!?そんなことが許されると思っているのか!?」
「でもミュラー君、僕は連中に顔を見られているから今から逃げ出してももう遅いと思うよ。それに今回の件が多事になればあの男は必ず動き出すはずだ、僕は帝国の未来を考えて今回の作戦に参加したんだ。君なら分かってくれるよね、ミュラー君」
怒りの表情でオリビエを問い詰めるミュラー、だがそんなミュラーにオリビエは真
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