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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十四話 密書発見
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いていないことは殿下にとって大いなる引け目だろうが、だからといって退くべきではない。ここは何とか―
「おっと、アルスラーン殿、それ以上はいけない。今はまだ口を開くべきじゃあないぞ?まずはこのラジェンドラの話を聞いてもらおうか!」
「ら、ラジェンドラ殿?」
む、ラジェンドラ王子、一体何を言うつもりだ?
「血筋ねえ、はっきり言うが、そんなものはクソだな!王の資格なんてものは、今まで何をしてきたか、そしてこれから何をなそうとしているか、それのみで問われるべきものじゃあないのか?」
「ば、馬鹿な!何ということを言い出すのだ!それでは―」
バフマンが気色ばんで口を出そうとするが、それもラジェンドラ王子に阻まれる。
「あー、あんたも今は黙っとけ!そもそも何故血筋というのが尊重されるのかと言えば、それはその王朝が積み上げてきた実績が評価されてのことだろう。カイ・ホスロー王朝はまず開祖が蛇王ザッハークを打倒した。それは何にも勝る実績だ。世界に誇れると言ってもいいだろう。そして、そこそこの善政を布いて、大陸公路の守護者の任を大過なく果たしてきたとも言えるだろう。その血を引いているのだからヒルメスは善政を布くことが出来るだろう、そう推定されるから、ヒルメスこそが玉座を継ぐべきだというそういう主張は判らなくもない。だが、ヒルメス個人に大きな瑕疵があると俺は思わざるを得ないね」
「ヒルメス王子に?一体何があるというのだ?」
「そう、まさにそれなんだが、あの王子はアンドラゴラスを倒すために、他国であるルシタニアを引き入れた。ご丁寧にも銀の仮面をかぶって自分の正体まで隠してな。そうやって、ルシタニアの侵略に加担し、軍民合わせて百万人以上を犠牲にした訳さ。偽りの王を奉じた民に生きる価値などないと言わんばかりにな。そしていずれ時機を見計らってルシタニアに反旗を翻し、パルス国民の前に仮面を外して罷り出て、救世主でございとのたまうつもりだぜ?呆れたもんだな、それが正統な王族の所業かと小一時間問い詰めたくなるね」
「そ、そんな…。だ、だが…」
「で、そんなことをしでかしたやつでも、復讐の狂熱が醒めれば案外まともな為政者になると期待する向きもあるかもしれないがね、俺はそれも違うと思う。短期的には国民に多大な痛みを伴う改革を行う場合に、多くの国民が反対したら、こういう為政者がどうすると思う?人間なんてのは、窮したときには、それまでやってきたのと同じことをしてしまうものでな、正しい政策を理解出来ない愚かな民に生きる価値などないと反対するものを弾圧しまくるだろうよ。それこそ何の疑問も抱かずにな」
「……」
「さて、ここでアルスラーン、お主に聞こうか!お主がやってきたこと、やろうとしていることがヒルメスに劣るものだと思うか?お主
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