やらなくちゃいけないこと
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との行き止まりの壁に着いたとき、陛下に命を救われた。だからこそ・・・」
オーガストはメイビスへと視線を向ける。彼女の心配そうな顔を見た彼は思わず笑ってしまった。
「お母さん、陛下を・・・いや、お父さんを止めてください。それができるのは、あなたしかいない」
最後の願いだった。父のやろうとしていることを唯一知っている彼だからこその願いだった。そしてそれは自分たちでは止められないことも理解していた。それができるのは、彼が愛した最愛の彼女だけであると。
「こやつは私が倒そう。この身ごと」
輝き出すオーガストの肉体。その光は大陸中を照らすほどだった。
「なんだこれは・・・」
「息が・・・」
その場にいた・・・いや、フィオーレにいたすべての人々が胸を押さえてその場にうずくまる。
(この魔法は・・・生物の血を蒸発させ、大地を溶かす禁呪・・・古代魔法アルス=マギア!?)
いくつもの魔法を知る彼女は自分の知識の中からこの魔法が何なのか探り寄せた。そしてこれがどれだけ危険な魔法であるかも彼女は理解していた。
「散れ、ティオス。灰となりて・・・我が人生としよう」
どんどん高まっていくオーガストの魔力。それを間近で受けているティオスの口から血が漏れた。
「やるぅ・・・さすがオーガストだ」
笑ってはいるものの、そこまでの余裕は彼にはないはずだ。この魔法は危険であるがゆえに古に忘れ去られた魔法。その事は彼も重々承知している。
「やめてオーガスト!!それはあなたの身も滅ぼしてしまいます!!」
「お母さん・・・止めないでください。もう、決めたんだ」
メイビスの願いも虚しくオーガストは魔法を止めることをしない。この魔法は大陸の生物すべてを仕留めるほどの威力がある代わりに、術者も必ずその身を滅ぼしてしまう。 それでもオーガストはこの魔法を選択した。それだけの覚悟があるということだ。
「全員!!もっと魔力を集中させて!!この街すら消し去ってしまう魔法なの!!何とかして自分の身を守って!!」
大気に付加することで極限まで被害を押さえようとしているアイリーン。それでも完全ではない。全員の命が保証されることはない。だからこそ彼女は魔力を防御に変換させるように叫び、皆が言われるがままにした。
「お母さん・・・あとは頼みます」
次第に崩れていくマグノリアの街。その中でようやく母に存在を気付いてもらえた息子は、必死に命を賭けた。
「これで終わりだ、ティオス」
「あぁ、終わりだ」
父をも脅かす絶対悪。それを殺せるのなら自らの犠牲などどうでもいいと思っていた。最後に選んだ魔法の威力はあらゆる生物を殺せる禁術・・・いかにティオスであっても、これに耐えうることはできな
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