やらなくちゃいけないこと
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ドラゴンたちはゆっくりと目を閉じた。
「信じよう、私たちの子を」
ガンッ
掻き回されていく戦場。そして妖精の尻尾でも、ようやく巡りあった兄弟が己の目的のために血で血を洗う戦いを始めていた。
ナツの拳を同様にして受け止めたゼレフ。その腕をナツは払い除け、バランスが崩れた彼は地面に倒れる。
そこに拳を降り下ろしたがゼレフはそれを読んでいた。転がるようにして回避すると、そのまま飛び上がり回し蹴りを押し込む。ナツはそれを受け止めたものの、ゼレフの力業により壁に打ち付けられた。
「ナツ!!」
「いってぇ・・・」
ルーシぃが大きな声を出すが当人は至ってピンピンしていた。しかし、ゼレフはある感触を得ている。
「やっぱり思った通りだ。イグニールの力は消えた。それでは僕には勝てないよ」
炎竜王の力を得ていた先の戦いとは異なり、ナツにはもうその力は残されていない。ハッピーはその原因が自分にあると感じており、表情が暗くなっている。
「まだ俺の力がある」
それでもナツには一切諦める言葉はない。彼は自らの力を信じ、勝利のために突き進もうとする。
「・・・それは楽しみだ」
だが、ゼレフはその弟の姿に内心希望が消え失せていた。しかし、彼も彼の目的のために進もうと目の色を変えた。
「こんなことが・・・」
地面に手を付き体を震わせているアクノロギア。それを見下ろしている天海は不満げな目をしていた。
「これが竜王・・・か」
この世界で一番強いと言われていた竜王・アクノロギア。そんな彼でさえも、この男の前では歯が立たない。それが彼にとっては残念で仕方がなかった。
「お前のようなものがドラゴンの頂点であれば、やはりこの世界は大したことがないんだろうな」
「なんだと・・・?」
天海の挑発とも取れる発言に黙っていられるわけがない。これ以上の醜態を晒すまいとアクノロギアはその姿を変化させていく。
「我は竜の王、アクノロギア!!この世界で一番強い者なり!!」
黒竜へとその姿を変化させたアクノロギア。彼の真の姿を目の当たりにした天海は、人間の姿の魔力とは比べ物にならないそれに震えていた。
「これを待っていた・・・貴様が本気になるこの時を!!」
武者震いが止まらない天海。ひたすらに強者との戦いを望む彼ならではの反応ではあったが、アクノロギアはここまでの劣勢を感じさせないほどに余裕を見せていた。
「我の本気に、人間ごときが勝てると思うなよ」
硬
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