暁 〜小説投稿サイト〜
東方刑務所の人狼ゲーム
一歩間違えれば死のゲーム〜レンside〜

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 沙耶香の死体はそのままエリアの外に置き去りにされた。
 俺達はずっと監視されている。エリアの外に一歩でも出てしまえば、沙耶香のように主催者側の何者かに銃で撃たれてしまう。それが皆怖くて、沙耶香の死体を取りに行くことはできず、「必ずゲームを終わらせて取りに行くね」ということになった。
 だが、このゲームが終わるとは限らない。仮にこの勝負が終わったとしても、次の試合が待っているかもしれないのだ。永遠にこの場所で、このゲームをやり続けなければいけないかもしれないのだ。そう考えるのは他の人のことも考えてしないほうがいいことはわかっている。だけど意識してしまうのだ。忘れたいのに忘れられない記憶と同じように、意識の根にべったりと張り付いている。だからもう受け入れるしかないのだろうか。
 こういう時にいつもは聖月に聞くことができたのだが、今の聖月は敵。簡単に話しかけていい相手ではないと思う。
 だが、しっかりと考えれば看守と囚人という関係でも敵だったなぁーと思うと少し悲しくなる。聖月は非常に頼れる相手だ。だから、敵に回したくない。出来る事なら、ずっと味方でいて欲しい。
 だけど、こんなゲームの中でさえ敵になってしまうのだ。俺は相当カミサマに嫌われているのかもしれない。いや、聖月に嫌われているのかもしれない。
 ……止め止め。マイナスな方向の考えしか浮かばない。プラスな考えなんてどうしたら生み出せるのかが分からなくなるほどマイナス過ぎて気持ちが悪くなる。
「……なぁ、聖月。今、何してる?」
 小さくそう問う。が、返ってくる返事はもちろんない。
 俺は目の前の扉をコンコンと二度ノックして、その扉を開ける。そして、中にいた雷を―――――


「お疲れ、レン。明日は誰にしようかな」
「……もう一人の共有者は陽だ。明日は陽で良い」


 二つの声は家の廊下にひっそりと響いて消えていく。


―――――雷が無残な姿で発見された
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