暁 〜小説投稿サイト〜
東方刑務所の人狼ゲーム
真実と嘘と死のゲーム〜一条聖月side〜
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必要があると言うのだ。
 私は嘘を吐くのがあまり好きではない。だが、嘘を吐くのは得意だ。誰かを騙して利益を得るのは結構得意なのである。
 だが、このデスゲームでそんなことが出来るのだろうか。否、出来るはずがない。
 滲むパソコンに表示された文字。そして、頬をつたう熱い物。
 私は死への恐怖を未だに克服できない。普通なら克服出来る訳がないのだが、何度も何度も死と生の淵に立たされてきた身としては、そろそろ克服しても良い頃。だが出来ていない。
 つまり、「死」が分かると途端に反応が鈍くなってしまう。その状態で嘘なんて吐ける気がしない。
 すると、コンコンと後ろから扉をノックする音が聞こえ、私はパソコンの画面を閉じて、何かから逃げるようにすぐに部屋を出る。
「っと!……聖月?」
 扉をノックしたのはやはり一鶴だった。一鶴は私がこのような「命を掛けた遊び」がとても嫌いだという事、死ぬことを恐れている事を知っている。
 だからだろう。きっとルール説明を読んで恐怖に怯えている私が心配になって来てくれたんだ。
「一鶴……?」
 これからのことが怖くて、怖くて、怖くて、一鶴の背中に腕を回して抱きしめる。
「聖月、落ち着いて。大丈夫だよ。……俺が守るから」
 良く考えるとこの言葉でわかることがある。先程の占いで一鶴が村人であることがわかっている。そして、「守る」という言葉から―――――
「一鶴は……狩人なの?」
 そう考えた。すると、一鶴は一度目を見開いてから、静かに微笑んで私の耳元で囁いた。
「そうだよ。絶対に守るから、安心して」
 一鶴は私が人狼陣営である可能性を考えているのだろうか。私は占い師だが、もし人狼陣営だったら、一鶴は今日の時点で終わり。
 それも覚悟してのことなの?一鶴。
「一鶴っ……私!」
 これなら私も一鶴に「自分は占い師である」と言ってしてしまった方が良い。一鶴も教えてくれたのだから、私も教えないといけない―――――のだが、一鶴は私が占い師だと言う前に、私の唇にそっと指を当て、言葉を止めさせる。
「だーめ。早く行こう」
 そして、一鶴はそう言って会議をするために用意されたのであろうリビングらしき場所に移動した。私もすぐに続こうとするが、これですぐに着いて行ったら一緒に話していたことがばれてしまうかもしれない。だから、一度部屋に入ってノートに「一鶴は狩人」と書き加える。





一条聖月 役職・占い師
三風一鶴 役職・狩人





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