暁 〜小説投稿サイト〜
東方刑務所の人狼ゲーム
真実と嘘と死のゲーム〜一条聖月side〜
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源でも切ったのだろう。全くと言っていいほど物音も聞こえないし、人の話し声も聞こえない。
 訳が分からず放心状態になる人は多かった。まぁ、普通放心状態に入るしかないだろう。この状況になる事を知らなければ、きっと誰でも硬直状態プラス放心状態になるはずだ。
 だが、これからもずっとアナウンスを待ち続け、この世界から脱出するのを待つわけにはいかない。先程のアナウンスが本当ならば、このまま待ち続けていたら私達は死ぬ。
 だけどどうやって―――――
「聖月、大丈夫?」
 小さな声で私に向かって囁く輝にぃ。きっと兄妹として心配してくれたのだろうが―――――素直にその気持ちを受け取ることは出来なかった。
 これから始まるのは人狼ゲーム。真実と嘘が紛れたゲーム。だから、いくら兄妹だからといっても、兄の言葉を素直に受け入れ、言葉を返すことは出来ない。その言葉だって嘘かもしれないから。
「……大丈夫。早くゲームを始めよう」
 用意された家はとても広かった。私達に個別に用意された十二個の部屋にお風呂、さらにベランダにリビング的な空間。どこかの豪邸かとも思えるそこは非常に精巧な作りになっていて、現実と同じような質感でもある。
 やはりここが異世界であることを疑うことはやめよう。きっと寝ている間に誘拐されたのだ。
 皆が部屋に入るためのドアにかかる名前が彫ってあるプレートを一つ一つ確認し、自分の名前を見つけてそこに入っていく。
 私も「一条聖月」というプレートの掛かったドアを開け、その中に入る。
「広い……」
 第一印象はそれだった。中に置いてある物がベッドと机、椅子とパソコンだけだったので、恐らく看守寮と同じくらいの広さの部屋でも広いと感じる。
 パソコンの電源を入ると、パソコンの画面に映るのは「貴方の役職は占い師です。誰を占いますか?」という白い文字と黒い画面だけだった。
「占い師……?」
 取り敢えず、今回の人狼ゲームでの私の役職が占い師であることは分かった。その次の「誰を占いますか?」という文だ。下に▼レン ▼達也 ▼ダイヤ ▼沙耶香 ▼セブン ▼零 ▼陽 ▼雷 ▼一鶴 ▼猿也 ▼輝 という選択肢の表示があるのだが、どうすればいいのかサッパリわからない。
 だけど、占い師は人狼ゲームの中でかなり重要な役職だ。それに、このゲームに参加している囚人も、ウチの囚人。それに私は主任看守部長。私はしっかりしなければいけない。
「今日は一鶴を占おう」
 ▼一鶴 と書かれた選択肢の横にカーソルをセットし、選択。すると、画面が変わり「三風一鶴は村人です」と表示された。
 ホッと胸を撫で下ろしながらその画面を消して、見つけたノートとペンでそこに「一鶴は村人」とメモする。これなら何日か経っても忘れないし、一鶴をまた占ってしまう事がない。
 パソコンの画面は
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