40 MVPは意外と何回も出る。
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お風呂からあがり、胸にサラシを巻いてから、紺色の着流しを着た。
明日もまた主に、事務作業である。
部屋に戻り、衣桁に掛けておいたエメラルド色の羽織を羽織って、部屋に向かった。
晋助はもうすでに私たちの分の布団を敷き終わり、窓辺に向かって煙管を吹いていた。よォ、上がってきたなァ。と彼は言う。
_「上がってきたわ。夕飯、どこで食べる?」
_「じゃァ、ここで食べないか?」
分かった、じゃあルームサービスを手配するわね、といって電話からコールをかけた。
しばらくすると、料理が運ばれてきた。ゆっくり食べろよ、と念押しされたので、一応それに従うことにした。
恐る恐る食事を口に運んでいると、晋助が口を開いた。
_「江戸に出るのは、明後日だな?」
そう、今日は木曜日である。
_「そうね。でも明日は明日ですることがたくさんあるの。困ったわ。」
そうかィ と晋助は言う。
_「何しろどこもかしこも、好きなだけレポートを書かせるんだもの。本当に手が使い物にならなくなるんじゃないかしら?で、書き終わったらそれも合わせて真選組に提出しにいかなきゃ。ったく、とんでもなく迷惑な話だわ。」
_「…じゃァ、お前が真選組を辞めりゃァいい話じゃねェか。鬼兵隊一本に絞ってよォ。」
それができたら苦労しないって。
_「それができないから困ってるんじゃないのよ。でもいいわ、今日はとりあえず、寝る。これに尽きるわ。」
あァ、そうだな。とか話している間に、もう寝る時間になっていた。
***
次の日の朝の話である。
朝目覚めてみると、紫のモフモフが私にシュリシュリしている姿が確認できた。つまり晋助が私に引っ付いているのである。こんな世にも奇妙な光景は、きっと今年のMVPに輝くに違いない。江戸最凶のテロリスト集団の頭領が女にしがみついて頭を擦り付けている姿が確認できたのだ。思わず写真に撮ってやりたい衝動に駆られ、なんとか押さえきろうと頑張ったが、やはりダメだった。MVPを写真に収める時に、紫に艶がかったサラサラストレートヘアーが時折風にそよいでいるのが悔しかったので、引っこ抜いてやろうかなどと恐ろしい…いや多少かわいい考えなども頭に浮かんだが、そんなことをすれば明日のお出かけがお預けになる危険性を孕んでいるので、結局は諦めることにした。
引っこ抜いてやる代わりに、撫で撫ですることに決めた。たまに鼻に抜けるような甘い声をあげるので気持ち悪い、と内心ギョッとしつつ撫で撫でする手は止めない。…そんなことをしている間に、彼はやっと目を覚ましたようだ。気配で分かる。
_「なんだ、先に起きてたのか。頭を撫
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