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妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
第25話 巨大な魔道士が集う時
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法”を正しい形で習得できなかった者の末路だと。
エルザは魔法の力に酔って自分たちのような過去を全て捨て去ろうとしていることを、と。

では、その事実を誰が口にした?

「ジェラールが言った(・・・)?」

「あなたの知ってるエルザはそんな事をする人だったのかな?」

今のエルザの仲間であるグレイとルーシィに言われる。
自分が慕っていた姉貴分は、そういう奴か?


「お…お前たちに何が分かる!!!オレたちの事を何も知らないくせに!!オレにはジェラールの言葉だけが救いだったんだっ!!! だから8年もかけてこの塔を完成させた!!ジェラールの為に!!」

自分たちは絶望に落とされた中、リーダーシップを持っていたジェラールの言葉が自分たちを救ってくれていた。
あの蒼くて長い髪が、優しげな表情が。

「その全てが…ウソだって?正しいのは姉さんで間違ってるのはジェラールだと言うのか!!?」

勿論エルザはこれでショウが納得してくれるとは思っていない。なにせあの後ここのことを知らないように過ごしていた自分なんか、信用はされないだろう。

否、信用する者はいる。

「そうだ」

「!!!」

その登場にショウは驚愕する。なにせ今の声は8年間共にこの苦労を分かりあったであろう仲間から放たれた言葉だから。

「シモン!!?」

「てめ―――」

「待って下さいグレイ様!!あの方はあの時グレイ様が氷の人形(身代わり)と知ってて攻撃したんですよ」

「何!!?」

「暗闇の術者が辺りを見えていない訳がないんです。ジュビアがここに来たのはその真意を確かめる為でもあったんです」

カジノで自分たちに攻撃してきた眼帯の男に対しグレイは身を構えるがジュビアの訂正により押し留まる。
確かに、相手は暗闇の魔法で攻撃してきた。
攻撃してきた相手がそれを見えないということがあるのだろうか?…いや、ない。あったらそれは馬鹿がやること。

「さすがは噂の名高いファントムのエレメント4。誰も殺す気はなかった、ショウたちの目を欺く為に気絶させるつもりだったが氷ならもっとハデに死体を演出できると思ったんだ」

「オ…オレたちの目を欺くだと!?」

仲間だと思っていた人間は自分たちを欺くための行動をしていた。それはこの男も裏切りに等しい行為だが…

「お前もウォーリーもミリアーナもみんなジェラールに騙されているんだ。機が熟すまで…オレも騙されてるフリをしていた」

「シモン…お前…」

「オレは初めからエルザを信じてる―――8年前からずっとな」

そう告げるシモンの顔を、まるで8年前傷がついてなかったら見えていたであろう顔を幻想する。

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