第五話 岐阜の城からその四
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「一つにするのじゃ」
「そうして治めていきまするか」
「そう考えておる、そして今はな」
「それを為すための足場固めですな」
「そうじゃ」
その通りだとだ、信長は滝川にも話した。
「だからお主達にも存分に働いてもらっておるのじゃ」
「全ての領国の政を」
「そうしておる、まあそれは順調にいっておる」
信長が見てもだ、その状況はいいものだ。
「だからな」
「このままですか」
「政を進めてことが一段落つけば朝倉家じゃが」
「殿、朝倉殿は日々当家への反感を募らせているとか」
蒲生がこのことを言ってきた、彼も明智と同じく新参者であり外様であるが万石取りの身分となっている。
「そして何とかです」
「当家に対しようとか」
「しておられるとか」
「越前一国で八十万石」
信長はまずこのことから話した。
「当家は七百二十万石」
「もうそれだけで」
「対することは出来ぬがな」
「しかも我等はよい具足に馬も多く鉄砲も多く持っておりまする」
柴田はこのことをここで話した。
「二十万近い兵がおるうえに」
「それで当家と対するなぞな」
「出来ませぬな」
「例え宗滴殿がおられてもな」
それでもというのだ。
「到底な」
「当家には勝てませぬな」
「わしも必ず勝つ戦をする」
信長自身がそうだというのだ。
「それでは宗滴殿がおられても」
「当家は朝倉家に勝ちますな」
「戦になれば十万かそれ以上の兵を越前に送り」
そうしてというのだ。
「あの国を飲み込むわ」
「その前にですな」
生駒がここで信長に言った。
「浅井殿には」
「当然じゃ、猿夜叉には話しておく」
朝倉家を攻める時は事前にというのだ、このことは浅井家と朝倉家の絆の深さを考慮してのことである。
「そしてそのうえでじゃ」
「朝倉家をですな」
「越前ごと飲み込むがな」
「それも一気に」
「戦は時をかけていいことはないからのう」
だからそうするというのだ。
「必ずな」
「左様ですな」
「朝倉家を飲み込み越前一国を領有すればな」
「そこからですな」
「北陸にも進める」
越前を足掛かりにしてだ。
「そのことからも越前もじゃ」
「手に入れることをですか」
「考えておる、だから近江に城を多く築きな」
この国の南だ、北はその浅井家の領土で織田家も徳川家と並ぶ盟友であるこの家を立てているのだ。
「近江の護りと共に越前攻めを考えておる」
「その為の築城ですな」
「そうじゃ」
「では殿」
羽柴も言ってきた。
「それがしの長浜の城も」
「その一つじゃ、長浜の周りを治めると共にな」
「そのうえで」
「あの地からもじゃ」
「朝倉家を攻めますか」
「その用意をしておくことじゃ」
「わかり申した」
羽柴
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