5.Fの災難/再開のSister
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後
IS学園入学式当日。
1年1組の教室は、静寂に包まれていた。28名の女子生徒が集まれば姦しくお喋りが繰り出されると思われるはずが、そんな事は無かった。
女子生徒たちが静かにしている理由。それはこのクラスに編入されている二人の男子生徒。
一人は最前列の教壇前の席に座っており、女子の視線に気付いているからか身体がカチコチに固まっている。彼の後ろ側の席に座っている子たちは見えないだろうが、今の彼の顔色は病に当てられているかのように悪くなっている。こちらが一人目、織斑一夏だろう。
そしてもう一人が。
(うーむ。研究に身が入らん)
そう。それがどこぞの天っ才の抑え役。秀才物理学者であるこの俺だ。
いやね。別に緊張とかそういうのではないんだ。二十歳にもなって高校かよなんていう落胆も…………少しはあるな。うん。
「皆さん、入学おめでとうございます。私は今日からこのクラスの副担任を勤めます、山田真耶です。これから一年間、宜しくお願いします」
ああ、最悪だ。うん?何がって?席だよ席。普通席は五十音順だ。この学園もその例はこぼれない。俺はレイモンドだから、窓際というベストポジションを獲得したのだが、問題はその後ろのやつがなぁ。
「織斑一夏です。・・・・・以上です!」
ああ!もう!せっかくの晴れ舞台?なんだから辛気くさいのはヤメだ!ポジティブに考えればまた新たなことを学べるチャンスってことじゃないか!しかもほぼ奨学金で!学者としてこんなにうれしいことはないだろう!そう考えると悪いことばかりでもない気がしてきたぞぉ。ここは!心火を燃やして俺のアイテムを、
バシィン!という音が教室に鳴り響いた。特に俺の頭の上で反響をしていた。
「(声にならない悲鳴)〜〜〜〜っ!まだ研究の途中でしょうが!」
バシィン!とさらにもう一発追加をお見舞いされた。
「自己紹介の途中だろうが。馬鹿者が」
あれ?あ。ほんとだ。
コラ。そこ。ハァってため息つかないの。後ろ向かなくても聞こえてるんだからな。
「まったく。お前の番だ」
「あ、はい。んじゃ改めて。俺はレイモンド。今はファーストネームだけで勘弁してくれ。歳は二十歳だがISに乗れるってことでこの学園に入ることになった。趣味は機械とかの物イジり。嫌いな物は鮹と女尊男卑。以後、お見知り置きを」
この後特に何もなかったから授業終わりの休み時間まで。
キングクリムゾン!
数時間後。
授業が終わり学生の大好きな休み時間へと入った。この学園は入学式が終わったその日に授業が始まるらしい。中々の鬼畜なタイムスケジュールで心がピョンピョンピョンピョン、ラビット!すっぞ!うん。もう何がなんだかわかんねーな。
「なあ、ちょっとい
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ