機動戦士ガンダム
2131話
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為……網膜や念動力を使った各種チェックの類はせず、そのまま機体を起動させる。
そんな状況ではあっても、ニーズヘッグは俺という存在をしっかりと認識したのが分かった……ような気がした。
いやまぁ、あくまでもそういう気がしたというだけで、明確にニーズヘッグに何らかの意識があった訳ではないのだが。
ともあれ、そんな風にしながら機体を起動させたところで、レモンが声を掛けてくる。
「じゃあ、いい? 早速尻尾を接続してみるわよ。アクセルは魔力でそれを受け入れるようにしてみてちょうだい。ただし、何か違和感があったらすぐに教えてね」
レモンの声が聞こえてくるのは、いつものようにコックピット越しという訳ではなく、コックピットにある隙間からの声だ。
まぁ、装甲とかも外してフレームとかケーブルが剥き出しになっている状況なんだから、そういう風に聞こえるのは当然なのだろう。
「分かった」
俺が答えると、早速レモンは周辺の機器やメギロートを使って、尻尾をニーズヘッグに尻と腰の中間くらいの場所に接続しようとする。
だが……次の瞬間、ピーというエラー音が響く。
接続はしたが、ニーズヘッグ自身が尻尾を全く認識していない、そんな状況。
「……アクセルがいても、駄目なのね」
「ちょっと待った」
残念そうに呟いたレモンの言葉に、そう返す。
ふと、今の状況で自分が出来る事があると、そう理解した為だ。
それは、先程考えた事……これから外部パーツを追加する時に対して、どうやってニーズヘッグに認識させるかの、答えにもなるだろう行動。
ニーズヘッグのコックピットにいた俺は、不思議とそれを理解したのだ。
セイラと接した時に感じたどこか別の空間にいた時と、若干似た感覚。
恐らくセイラのニュータイプとしての覚醒に俺が引っ張られたあの妙な空間での経験がなければ、分からなかっただろう行動。
俺は、自然とニーズヘッグに魔力を流していた。
それこそ、ゲイ・ボルグを使う時に魔力を込める時のような……それでいて微妙に違う、似て非なる感覚。
すると、俺の魔力が自然とニーズヘッグに流れていき、それこそまるで人間に血が流れているかのように、魔力がニーズヘッグの体内を循環する。
体内……いや、機体内と表現した方がいいのか? だが、魔力を流している俺にしてみれば、今のニーズヘッグは自分の体内に等しい。
そしてニーズヘッグの体内を魔力が循環しているという事は、ニーズヘッグの尾についてもそれは同様だ。
最初は魔力に対する抵抗があったが、時間が経つに連れて魔力は尾にもきちんと流れていき……そして、気が付けばニーズヘッグのコックピットではしっかりと尾の存在を認識していた。
それこそ、つい先程までニーズヘッグが尾を認識しなかったのは
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