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麗しのヴァンパイア
第五十八話

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            第五十八話  神戸の中華街
 手紙を送ってからだ、カーミラは自身の屋敷で今は生クリームをたっぷりとその上に乗せたウィンナーコーヒーとザッハトルテを食べつつ自分の使い魔達に話した。
「もう手紙は届いているわね」
「はい、今頃は」
「そうですね」
「では明日の十二時にね」
 こう言うのだった。
「中華街に行くわよ」
「神戸の中華街ですね」
「そこに行って」
「そしてですね」
「勝負を楽しまれますね」
「そうするわ」
 実際にというのだ。
「明日の夜の十二時にね」
「はい、それでは」
「我等もお供させて頂きます」
「お二方もそれぞれの使い魔を連れて来られるでしょうし」
「そうさせて頂きます」
「そうさせてもらうわ、ただね」
 ここでこうも言ったカーミラだった。
「今気付いたけれど」
「はい、何でしょうか」
「何かおありでしょうか」
「私はまだこの神戸の中華街には行っていないわ」
 このことに気付いたのだ。
「そして楽しんでいないわ」
「あっ、そうでしたね」
「言われてみますと」
「ご主人はまだでしたね」
「神戸の中華街には行かれていないですね」
「そしてあちらで楽しまれていないですね」
「そうだったわ」
 このことを言うのだった。
「だからね」
「はい、ここはですね」
「是非にですね」
「あちらに行って」
「そうして」
「勝負の前にそうしてね」
 そのうえでというのだ。
「中華街を楽しみたいわ」
「折角神戸にいるですから」
「それなら」
「是非そうしたいわ」
 こう言ってだった、カーミラはウィンナーコーヒーとザッハトルテを食べ終わった後ですぐにだった。
 神戸の中華街に向かった、その場所自体を楽しむ為に。
 その途中でだ、ふと今は姿を隠して自分の周りにいる使い魔達にこうも言った。
「女の子を見ることもね」
「楽しまれますか」
「そうするわ」 
 こんなことも言って行くのだった。


第五十八話   完


               2018・6・3
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