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空に星が輝く様に
388部分:第二十九話 壊れてしまったものその七
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第二十九話 壊れてしまったものその七

「本当に」
「ううん、どうしてかしら」
「御前わかるか?」
「わからないから今こうしてね」
「首を捻ってるか」
「そうよ」
 まさにその通りであった。
「あの娘何かあったのかしら」
「まさかあいつも年頃だけれどな」 
 ここでこんなことを言う父だった。
「それか?」
「誰かと喧嘩したとか?」
「それじゃないのか?」
 こう話す両親だった。母は味噌汁の中の揚げをその箸に挟んでいる。白めの色の味噌汁の中に他に白菜やもやしも見える。
「部活の誰かとじゃないのか?」
「あの娘気が強いしね」
「有り得るだろ、それ」
「確かにね。じゃあやっぱりそえね」
「俺はそう思うぞ」
「私もね」
 彼等はこう考えていた。しかしだった。
 一緒にいて夕食を食べていた星子はだ。こう親に言った。
「そうかな」
「そうかなって」
「違うっていうの?」
「ほら、お姉ってこれまでも何度も喧嘩してきたじゃない」
「クラスや部活の女の子とな」
「男の子だったこともあったわね」
 一見すると気の強い彼女は男女問わず喧嘩の相手にしてきたのだ。それは両親もよく知っていた。だからこそ今こう思っているのだ。
「けれど殴り合いはしないからな」
「それはいいところね」
「だからそれだろ」
「どうせ負けたんでしょ。大したことないわよ」
「けれど負けた時も」
 星子は右手に赤い箸、左手に白い茶碗を持ったまま言う。茶碗の中にはまだ食べかけの白く柔らかい御飯が山盛りになっている。
「お姉って全然平気じゃなかった?」
「そういえばそうか?」
「そうよね」
 両親も言われて気付く。
「いつも自分から負けたって笑いながら来たか」
「それで明日は勝つって御飯三杯だったわよね」
「女なのによく食う奴だよ」
「だから背はそこそこあるけれどね」
 何気に娘の胸の小ささも言ったりする。尚星子は姉よりずっと胸が大きかったりする。その顔立ちは非常に似ていてもである。
「それがないな」
「どうしてかしら」
「ああ、そうか」
 ここで父は察した明るい顔になって言うのだった。言いながら黒い箸でコロッケを奇麗に切る。ソースで黒と茶色の二色になったそのコロッケをだ。
「あいつも年頃だからな」
「年頃だから?」
「一人前に傷つくようになったんだよ」
 こんなことをだ。星子に言うのだった。もう一人の娘にだ。
「それだよ、それ」
「それでだっていうの?」
「そうだろ」
 また言う父だった。
「それでなんだよ」
「そうかな」
「御前だってそうなるよ」
「そうよ。あの年頃って難しいのよ」
 母も父の考えを受け入れて言う。
「やっぱりそうなんでしょうね」
「やれやれ、仕方ない奴だな」
「全
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