05.猫達は人狼ゲームをするそうです。
第6回 過去を語ろうと思います。私が未だブラコン要素があった頃のお話です。
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「え………?」
首領補佐が「話し合いはそれまでです。それではみなさん投票をはじめて下さい」と1つ前に出て言う。
―――――嗚呼、処刑される。
「投票の結果本日処刑者は実験体No.58さんです」
ギラギラと光る刃物。此れは毒が塗られている。
「じゃあ、刺しますよ−。良いですよねー、首領」
「嗚呼。良いよ」
「葉月はー?」
「ゆっくり殺せよな」
「あいよ!」
腹に冷たい感触。恐る恐る目線を下げてみると、刃物は腹部に当てられている。
枷、鎖の御陰で身動きをとることが出来ず、逃げることは許されない。
「じゃあ、いっきまーす」
グサリと、刃物が腹部に刺さる。
段々と視界が霞み、やがて真っ暗になる。
不思議な感覚がした。
◇ ◆ ◇
「あ、起きたー」
あれ、私は死んだ筈では?という疑問。でも、そう言えば白猫の構成員の中には、治癒能力を持った人が居た気がする。
「うーん。『私みたいな邪魔者が、如何為て生き返らせて貰ってるんだろう』って言う顔してるね! それは、君が見事、幹部様達の『遊び道具』に昇進したからだよ!!」
◇ ◆ ◇
「はァ………あ、いッ……」
肩に刻まれる、無数の切り傷。其処にまた1つ、また1つと傷が付けられていく。
「あっれぇ、ついに自傷行為始めたのー? あ、もっと前に始めてたか!! まぁしょうがないよね! 傷はボクが全部治しちゃうから! ………って、聞こえてないか。じゃあ、その傷、みっともないから治してあげ……」
「………るさい」
「えぇ?」
俯きながら言う。もう嫌だ。もう嫌なんだよ。
「『消滅』」
「え…………
ぎゃああぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
治癒能力を持った構成員が灰も残らず消える。残っているのは、関わった人間の中に残っている記憶だけ。
「如何為た」
首領がやって来る。何故、此処に居るのかは分からないが、でもやることは変わらない。
また刃物で肩に傷を付ける。首領が目を見開いて此方を見ているが、今更止める気は起きない。
「首領」
――――――私が殺す。
◇ ◆ ◇
「………わぁ、凄い。凄い痛々しい夢だ−。それに、寝方も素晴らしい位可笑しい」
何と、私はベッドに座った状態で寝ていたのだ。手を重ね、そして背筋を伸ばして座りながら。もうお手本のような座り方をして寝ていた。
「もう、最悪な夢」
話し合いの時間に
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