暁 〜小説投稿サイト〜
繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
05.猫達は人狼ゲームをするそうです。
第5回 「じゃあ__君で」だって!!かっこよくない!?ねぇねぇねぇ!!ナイスシリアルクラッシャー!!

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 屋敷の庭の端の方に在る、大きな桜の木の下に、プレイヤー達が集まっていた。目の前には2つの、真新しい墓。

琴葉「……このゲームは矢張り、本気でやる物じゃない」

 プレイヤー達が顔を上げる。その中の、アリサの瞳には雫が浮かんでいた。
 妹、ユリアの死。それは、姉であるアリサにとって、悲しい事だった。

宙「でも、何時までも此処に居る訳にはいけませんよね」
紗耶香「話し合いの時間だね」


  ◇ ◆ ◇


琴葉「白凪君、占い結果を教えてくれるかな?」
凛「……七星姉は白だ」
宙「呼び方……」

涙「つーか、さっさとリア充ぶっ潰さないとだな」
葉月「つー訳でお前死ね」
涙「現実の話を持ち出すな? 向こうではそうでもこっちではちげぇよ?」

輝「何々、リア充狩り? 楽しそうだね!」
宙「輝? 私に向かって言わないでね……?」
輝「え? お姉ちゃんと涙は許すけど」
涙「良い奴だ……」

アリサ「で、今日どうするの」
レン「ええ……輝さんに任せるしか思い浮かばないのですが……」






輝「じゃあ白凪君で」





紗耶香「何故か、理由を聞こうか」
葉月「現実では仲間だからな」


輝「ユリが本物の占い師だったらってこと、考えた? 白凪君に乗っ取られるのが怖いからね。だから今日は白凪君が良いと思った。これで満足?」



『話し合いはそれまでです。それではみなさん投票をはじめて下さい』



涙「タイミング悪ィな……」
アリサ「ホント。もうちょっと伸ばしてもらいたいわ」



『投票の結果本日処刑者は白凪凛様です』



  ◇ ◆ ◇


 プレイヤー達が皆寝静まり、屋敷内に静寂が訪れる。
 だが、琴葉だけは未だ寝れずに居た。

「早速、佐々木君がやられてしまうとは……ねぇ」

 琴葉はベッドに腰を掛け、窓の外に浮かぶ満月を眺める。と言っても、ぼんやりと其方へ視線を向けているだけだが。

「……なんか、昨日はまたとんでもない事を言った気がする」

『私が此処まで為たのは、葉月にぃの事が大好きだったからなんだよ』
 頭の中で、何度も何度も、その言葉が繰り返される。

―――確かに、昔は葉月の事が大好きだった。強くて、格好良くて、何事にも一生懸命で、そして優しかった葉月の事が大好きだった。でも、今は強くて、格好良くて、何事にも一生懸命だが、敵で、優しくない。

「………此れを始めるきっかけ、そう言えばこのゲームだったなぁ」


―――未だ早いかもしれないが、私の過去を少し語ろうか。


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