直死の魔眼と神々の義眼くっつけて最強っていう安直すぎるアイデアってどうかと思うの。と書きつつ直死出てこない短編
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らえるし遊んでもらえるでしょうね。男の人は特に……でもレオ君は、なんでその大勢の男のなかで自分の所に、って思ってるんだね」
「はい。ぶっちゃけこの部屋、二人で過ごすにはちょい狭いですし」
「狭いからいいんじゃない?狭いと自然と距離が近づくでしょ?」
テレビの電源を付けてゲームを起動させたマルガレータさんは、コントローラー片手に僕のベッドに腰かけ、横に座るようポンポンと叩いて促す。誘われるがままに横に座ると、彼女から甘い匂いがした。結構一緒に過ごしているのに、肩が触れ合うような距離になると未だにちょっとドキドキしてしまう。と――ベッドに置いた手の小指が、マルガレータさんの小指にぶつかった。
「あっ、すいません」
「別にもっと触れてもいいのよ?」
「恥ずかしいですっ」
「うふふ、初心なんだから。そういうところ、可愛いわ」
そんな風にからかわれて恥ずかしくて、でも微笑むマルガレータさんの横顔が見惚れるほど綺麗で、僕はドギマギする男心に揺すられながら彼女と一緒に過ごした。途中からは二人で協力プレイして、ゲームを普通に楽しんでしまった。
この距離感。もどかしさもあるけど、なんだか嫌いじゃない自分がいる。
= =
レオ君は気付いてるんだろうか。
私のことをマタ・ハリではなくマルガレータと呼ぶのはこの街で自分だけだということを。
知ったら多分、首を傾げて「え?マルガレータさんはマルガレータさんでしょ?」なんて普通のことのように言ってしまうのだろう。でも、常にマタ・ハリの名を名乗っている私の本当の名前を呼ぶのは、本当の名前を見えすぎる目で見てしまった彼だけなのだ。
そのことを考えると、真実を知らせたときにどんな顔をするだろうとちょっとした悪戯心がうずいて楽しくなってしまう。
ここ、HLは何もかもがハチャメチャな町だ。それは私の生前の人生より、或いは人理修復の旅よりある意味でハチャメチャだ。その喧騒が楽しくて飽きさせなくて、楽しんでいるという事を自分で否定する気はない。
しかしその中にあって、私はレオくんに惹かれた。
会うなり全部自分の事を知られるというスパイ泣かせの魔眼が最初の切っ掛けだったことは否定しない。でも一緒に過ごしながらHLを知るうちに、私はレオくんの凄さを段々と知っていくことになった。
彼は、普通である。
この喧騒を駆け抜ける住民で、秘密結社として神々の義眼を使うエージェント(レオ君は隠しているつもり)で、毎日のように世界を救う一助をしている身で、それでもレオくんは普通である。
普通の感想。普通の行動。普通の頭脳。
飛びぬけて欠けたものはなく、目以外に飛びぬけて秀でたものはない。
ただ、普通の人間が選ぶ普通の選択を、異常が日
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