暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第169話「“代償”と、決着」
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と判断し、足を踏み出していく。

「ッッ……!!」

 さらに一歩、踏み出す。
 守護者も膝を付き、立ち上がろうとしている。
 優輝が辿り着くのが先か、守護者が復帰するのが先か。
 それで、勝敗が決まる。

「ッッッ……!!」

 さらに一歩、踏み出す。
 既に間合いはほとんどない。
 優輝の攻撃範囲に入るまであと少し。



   ―――“弓技・螺旋-真髄-”

「っ、ぁ――――」





 その瞬間、優輝は守護者が矢を放つのを見た。
 今更避ける事は出来ない。
 故に、攻撃のための一撃を迎撃に使おうとする。
 しかし、一瞬遅い。
 間に合わず、その矢が眉間へと吸い込まれるように飛び……





   ―――“Scarlet arrow(スカーレットアロー)



     ギィイイイン!!





 遠方から飛んできた紅い矢によって、弾かれた。

「っ……!!」

 故に、最後の一手が、届いた。

「っつぁっ……!!」

   ―――導王流弐ノ型“穿掌”

 血を吐くと共に、渾身の一撃を守護者に放つ。
 ダメージが大きかった守護者は、攻撃が弾かれた動揺から復帰するのに遅れた。
 そのため、防御が片手しか間に合わず、直撃する。

「が……はっ……!」

 背にしていた木々を突き破り、吹き飛ばされる。
 同時に、優輝はその場に倒れこむ。
 体の限界が来てしまったのだ。

「っ……今、のは……」

 うつ伏せから仰向けになり、優輝は矢が飛んできた方向を見る。
 優輝はあの瞬間でも、飛んできた矢の魔法をしっかりと見ていた。
 そして、それが良く知った魔法であることも分かっていた。

「……ありがとう、緋雪……」

 いるはずがない。そう思っても、優輝はそう言わざるを得なかった。
 尤も、緋雪は実際に来ているのだが、それを優輝が知る由もなかった。







「……まったく、お兄ちゃんは……」

 優輝が倒れこむ遠方で、矢を放った緋雪はそう呟く。

「あれだけやっても、守護者はまだ倒れないなんてね……」

 緋雪の体力もまだ戻ってはいない。
 それでも、優輝を助けるために緋雪は魔法を放っていたのだ。

「無理した代償かな……もう、時間が近い」

 そう言って、緋雪は崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。







「終わった……の?」

 戦闘を見続けていたアリシアが、呆然とそう呟く。
 誰もが、これで勝ったと思っていた。

「っ、う、嘘……!?」

 ……だが、それを覆す存在がいた。

「ま、まだ立つって言うのか……!?」

 
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