第5章:幽世と魔導師
第169話「“代償”と、決着」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
技・護法障壁-真髄-”
明らかに捨て身の攻撃。
それに対し、守護者は障壁を張る。
「(当てても外してもその反動は致命的。ならば障壁を張る事で僕だけが自滅すると考えたのだろう。ああ、確かに正解ではある。これが普通に当たれば、僕は死ぬ)」
重力魔法で加速をつけてはいるが、攻撃を当てた際の反動は計り知れない。
少なくとも、落下によるダメージで優輝の体はザクロのように飛び散ってしまうだろう。
「(だが、守護者よ、忘れたか?)」
しかし、優輝がそんな事を考えていない訳がない。
「(この重力魔法の制御は、僕がしている事を)」
刹那、重力魔法の術式が破棄される。
同時に、優輝はマルチタスクを行使。
重力による拘束が守護者から解けると同時に転移魔法の術式を構築。
転移し、障壁の範囲外である側面へと移動する。
「ッ……!」
「遅い」
―――導王流弐ノ型“穿掌”
ドンッ!!
守護者は、辛うじて刀を割り込ませる事に成功する。
しかし、受けるのは刀の腹。故に、そのまま吹き飛ばされる。
「ッ、がはっ!!」
刀ごと吹き飛ばされ、守護者は木々を折りながら叩きつけられる。
霊力による身体強化でまだ戦闘続行が可能だが、大ダメージを与えた。
「……」
間髪入れずに優輝は転移魔法で間合いを詰めようとして……
―――ズキン……!
「―――ガ、ア……ッ……!?」
その体が、途轍もない痛みに襲われた。
そして、同時に“極意”も解けてしまう。
「っづ……!!」
意識が引き戻されるように、優輝は“我に返った”気分に襲われる。
力が抜けるような感覚と共に、今までの動きが出来ないと悟る。
……それもそのはずだった。
この場にいない他の皆は当然、相対していた守護者も気づいてはいなかったが、優輝は“極意”を使っている間は、意識が半分なかったも同然だからだ。
戦闘によって蓄積したダメージと、ほぼ力を使い果たした事が影響した事で、優輝は半分意識を失った状態となり、ほぼ本能のみで動いていた。
それこそが、導王流に“極意”に至るための道標だったのだが。
「ぉ、ぉああっ……!!」
意識が引き戻された事で、優輝の体は思うように動かない。
だが、それでも、優輝は前へと踏み出す。
「ッ……!!」
一歩、踏み出す。
地面を踏みこみ、最小限の力のみで守護者との間合いを詰める。
転移魔法は既に使用不可能。
魔力は底をつき、魔力結晶で回復しても転移の負荷に体が耐えられない。
よって、自力で間合いを詰めた方が最善
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ