第5章:幽世と魔導師
第169話「“代償”と、決着」
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前まで頭があった場所を、優輝の手刀が貫く。
神速で放たれる連続の矢を受け流しながら守護者の位置まで間合いを詰めてきたのだ。
「ふっ!」
「くっ……!」
ギィイン!!
投擲により手元を離れていた槍が、守護者の手に収まる。
呼び戻しの術式によって取り寄せた槍で、守護者は優輝の追撃を防いだ。
ギィイン!!
「っつ……!」
直後に優輝は守護者の背後に転移。
そこからの攻撃を守護者は受け止め、地面に叩きつけられるかのように着地する。
「(物理攻撃も、霊術も受け流される。“受け身”の戦法なのに、相対する私が防戦一方になるほど、攻撃が通用しない……!)」
―――“氷柱-真髄-”
―――“氷柱-反-”
長柄な事を活かし、守護者は槍で優輝の攻撃を防ぐ。
隙を見て、身を躱しつつ霊術で攻撃をするが、それを受け流した上に同じ術で反撃されてしまう。
「っ……!」
―――“風車-真髄-”
返された霊術を違う霊術で相殺し、槍を振るう。
当然のように受け流され、反撃が繰り出され、守護者はそれを槍の柄で逸らす。
―――導王流弐ノ型“流貫”
「ッ―――!?」
刹那、その槍の防御をすり抜けるように、手刀が守護者へと迫る。
顔を逸らす事でその一撃を躱し、蹴りと霊術を放つ。
その攻撃が受け流され、反撃が来る前に守護者は障壁を張り、それを足場に後方に跳躍して間合いを取る。
「(私の“癖”をあの一瞬のみ完全に見切っていた……!見切る範囲を狭める事で、それを可能としているの……!?)」
「………」
「(だったら……)」
“極意”のあまりの凄まじさに、守護者は驚愕してばかりだった。
……だが、さすがに慣れてきたらしい。
「(私も、“対応”すればいい)」
「ッ!」
ギギギギィイイン!!
槍から二刀に戻し、刀が振るわれる。
その一撃一撃の軌道を、優輝は対処するが……。
「む……」
……反撃に出る事は、なかった。
「(動きを変えてきたか)」
「ふ、はぁっ!」
一刀が振り抜かれ、それを受け流した手を切り落とそうともう一刀が迫る。
「ッ!」
「……!」
その一刀も受け流され、反撃が繰り出され……る前に、霊術でそれを阻止する。
「(堅実……隙を潰した戦法。長期戦に持ち込むつもりか?)」
ギィイン!ギギィイン!!
優輝の扱う“極意”は、攻撃に優れている訳ではない。
カウンターが基本となるため、堅実な戦い方に変更した守護者なら、お互いに攻撃を食らう事なくやりあう事が出来ていた。
「(い
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