第5章:幽世と魔導師
第169話「“代償”と、決着」
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その時、なのはと奏はいきなりふらつく。
すぐさま体勢を立て直したが、様子が変わって……否、戻っていた。
「な、何!?え、私、何か変な事した?」
「……?……?」
注目されている事になのはも奏も困惑する。
それは、寸前までの事を何も覚えていないかのようだった。
「覚えて……ないの?」
「え……っと……うん。レイジングハート、私、何か言ってた?」
〈……Yes〉
なのはの問いに、レイジングハートが肯定すると共に先ほどのやり取りの記録を流す。
「嘘……何、これ……」
「ッ………」
その記録になのはと奏も絶句する。
何せ、二人にとってはちょっと眩暈がしてふらついた記憶しかない。
だというのに、まるで別人になったかのように記録では振舞っていた。
「(……何者かによる乗っ取り?それも、優輝君について何か知ってるようだった。優輝君なら何かわかる……?……ダメ、今の情報だけじゃわからない。それに……)」
皆が困惑する中、司はどういう事か推測するが、それを一端止め、優輝の戦闘へと目を移した。
「(……戦況が、そろそろ動く)」
司がそう考えた瞬間、優輝が掌底で守護者を吹き飛ばしたのが見えた。
「(術式への干渉、空間の跳躍、私の動きの見切り。……あまりに、凄まじい)」
掌底に吹き飛ばされた守護者の頭の中は、そんな思考が占めていた。
この時点において、優輝は完全に守護者を上回っていた。
霊力量も、力も、ほとんどにおいて守護者は未だに優輝を圧倒できる程だ。
だが、それを凌いで余りある程に、優輝の……導王流の極意が凄まじかった。
「ッ……!」
体勢を整え、着地する守護者は、すぐに追いついてきた優輝へと刀を繰り出す。
だが、その攻撃は受け流され、カウンターが返される。
それを、守護者は最小限の範囲の障壁で受け止め……
ギィイン!!
「くっ……!」
その障壁を“ずらされた”。
術式の中にある“座標の設定”に干渉し、吊り下がっている物を手で払うようにずらされたのだ。
「ッ!」
即座にもう一刀を振るう。
当然のようにそれは受け流されるが、さすがに守護者もそれを想定していた。
「(脱力した所から一気に振り抜く……なるほど、それでただ振るうよりも威力を出してるんだ。おまけに、力の“流れ”に干渉するような動きをしている……!)」
―――“弓技・瞬矢-真髄-”
即座に跳躍。優輝の上を取る。
そして、素早く矢を連射。その反動でさらに上へと上がる。
「ッッ……!」
直後、守護者は頭を傾け、寸
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