大学生そうゆな
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ゃう?」等と女性陣ちは聞こえないようにヒソヒソと話していた。
尤も、幸奈の耳には届いていたが。
「そうね。確かに奏輝君の容姿は普通で、身体も細いけど……彼は誰よりも優しくて、誰かの為に動く彼は誰よりもカッコいいの」
誰もが見惚れる笑顔で幸奈はそう断言した。それに頷くのは奏輝と幸奈の事を他の人よりも知っている大学で仲良くなった女子だけだ。
「ヒューヒュー! お酒もあって暑くなっちゃったわー」
「ご馳走さま、桐凪ちゃん」
「いつもはクールなのに彼氏君の事になるとそんな顔するんだねー」
女性陣にそう冷やかされ、幸奈はハッと自分がのろけた事を自覚して顔を真っ赤にして俯き、黙ってしまった。
「す、少しお手洗いに……」
「あー、私もー」
数分しても時折冷やかされるので幸奈はその場から逃げるようにその場から離れた。
「面白いこと思いついた──」
離れるときに幸奈の耳に届いたのは男性の声で何か含みのあるものだった。何かとも思ったが、ゲームでもするのだろうと気に止めなかった。
席に戻ると、勝手に席替えがされていた。少し戸惑ったものの、右側にリーダーの男子と左側に先輩女子だった為、普通に受け入れて席に着いた。因みに同じタイミングで席を立った女子はまだ戻ってきていない。
先程頼んで、居ない間に届いたカルピスソーダを自分のものか確認してから幸奈はまた飲み始めた。
──あれ? 何か違和感が……?
幸奈が覚えた違和感。それは、カルピスソーダの味もそうだが、周囲から異常に見られているような、そんな違和感だ。
「……?」
一度、グラスから口を離してチラッと周囲を見るがメンバーは誰も幸奈の方を見ていなかった。
──さっきの件で自意識過剰になったのかしら。
そこから、幸奈は思考がどんどんできなくなっていった。
「あれー? 幸奈ちゃん飲めるじゃーん。それサワーだよー?」
「ほら、やっぱり1杯くらい平気だって!」
「もっと行けるんじゃない?」
幸奈の周りは、実質全員敵しか居なかった。やはり歓迎会という空気がそういう流れにしたのか、既に全員酔っているからか、盛り上げたい為か騙したように酒を飲ませてどんどん幸奈に酒を勧めていく。
「でも……そうき君と約束を……」
そう言って1割程飲んだカルピスサワーを離して拒否する。その短い言葉でも既に呂律が綻びを見せていた。
「そんなの適当に流せば大丈夫だって!」
「破っちゃおうよー。だってお酒の席だよー?」
「せめて、これだけ飲んじゃおうよ!」
確かに、出された─それも一度口を付けた─ものを残すのはマナーが悪いと思い、幸奈もこれだけならとカルピスサワーを少しずつ、少しずつ飲んで行った。
「あ、あれ? 幸奈ち
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