閑話4 ヒカルノと太郎(表面)【前編】
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らない考えが頭をよぎったが、どうやらそこら辺の所謂『ズルい』真似は、太郎的にはOKらしい。
太郎は一息で問題点を言い切ると、最後にバッサリと纏めた。
「昔からやってるから、どうせ、はした金で上は判子押してるだけだから、なんて通用しない。知ってると思うが半年前からこの学校は改築の準備を始め、色々生まれ変わるレベルで改装する予定だ。勿論、メディアや市区町村からも注目される。このままズルズルとやっていざバレたら、良い恥さらしだ!」
(その注目集めた原因、あんたらの『せい』な気がするなあ…………)
太郎を含めた、超人三人をこの学校に入学させるため、理事長と校長のダブルス土下座が行われたと、専らの噂である。
実際、同じ中学の先輩によると、三人の入学が推薦(物理)で決まった直後に、校内新聞で号外出したらしいし。
つまり、この学校が余計な注目浴びたの、あんたらのせいじゃない?
別にパソコン部のお歴々がやっていた不正が消えた訳では全くないが、そんな空気が流れる。
そのような視線と空気に気が付いたのか、太郎は初めて、申し訳無さそうに咳払いした。
「…………まあ、その原因の一端は俺にあるだろう…………だが、俺は謝らない!」
だが、そのようなしおらしい態度は始めだけ。
太郎に目線を向ける皆に対し、逆に胸を張って答える。
「コンビニが高校の中にあると便利だろ?『私達の学校、校内にカフェがあるんだけど……』とか元中学の奴に自慢できると嬉しいだろ?そんな便利さと引き換えだ!悪い取引じゃあるまい!」
流石に全員では無かったが、大半の人間は『確かに…………』と首肯く。
誰だってプライドはある。何もしないのに、自分の学校が便利に、恰好よくなることにより、周囲から羨望の目で見られるのを否定的に見る人間はいない。
現実的にみても、校内にコンビニとかマジで便利だし。
さて、こういう空気になると、逆ギレ気味に太郎を叩くことも難しくなる。
逆ギレするには、皆の気持ちが太郎に好意的に傾いてしまったからだ。
実際、恐らく責任者として吊し上げられる(予定)と書かれそうな部長と副部長は、真っ青通りすぎて、真っ白になっていた。
進退極まる。
正にその言葉がぴったりの状況に、場は固まった。
(やるねえ…………)
何処から頼まれたのか知らないが、場と空気を読み、伝える必要がある言葉を、きちんと相手の頭に届かせるその手法に感心していると、初めて太郎と眼があった。
いや、太郎が私に目を向けた。
何が琴線に触れたのか私にはわからんが、メッチャ見てる。
おや、目をつけられたかな(冷汗)
これは、さっさと部長(生贄)を差し出して逃げないと…………。
そう考えていると
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