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空に星が輝く様に
385部分:第二十九話 壊れてしまったものその四

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第二十九話 壊れてしまったものその四

「頑張るわよ、今日もね」
「じゃあ赤瀬に連絡して」
 椎名は携帯を出してだった。実際に連絡を入れた。
 そうしてだった。落ち着いた声で言うのだった。
「これで何もかも終わり」
「終わったんだな」
「そう、終わった」
 また狭山の言葉に対して応えたのだった。
「これにて一件落着」
「急に水戸黄門になったな」
「それ遠山の金さんよ」
 ぼけた狭山に津島が速攻で突っ込みを入れた。顔を彼の方に前に突き出したうえでだ。そうして彼に突っ込みを入れたのであった。
「間違えてるでしょ」
「あれっ、そうだったか?」
「そうよ。金さんが桜吹雪見せてから言う言葉じゃない」
「悪人に打ち首とか獄門とか遠島とか言ってだな」
「そうよ。だから違うわよ」
 こう狭山に話すのだった。
「水戸黄門じゃね」
「そうか。違ったか」
「映研なのにそんなの間違えたら駄目でしょ」
「誰にだって間違いはあるだろ」
「あんたは多過ぎるの」
 こう返す津島だった。
「何かとね」
「ちぇっ、俺何かボロクソだな」
「じゃあ間違えないといいでしょ」
「それもそうか」
「そうよ。まあそれじゃあ」
「うん、部活」
 また言う椎名だった。
「今から行くから」
「剣道もな。そろそろまたなんだよ」
 陽太郎も椎名に合わせて言う。
「練習試合な」
「相手何処だよ」
「ああ、西宮の方の高校でさ」
 そこだというのだ。
「結構強いとこらしくてさ」
「相手にとって不足なしか」
「っていうかうちより強そうなんだよな」
 こう狭山に返すのだった。
「やばいかなって思ってな」
「負けるかもってか」
「まあ練習試合だけれどな」
 それでもだというのだ。
「けれど負けるとやっぱりな」
「そうか。まあ俺文科系だからそういうのあまりわからないんだけれどな」
「そういうのわからないか」
「ちょっとな」
 狭山は少し困った顔になって陽太郎に答えた。
「悪いな」
「いや、それはいいさ」
「そうか」
「ああ、それでな」
「それで?」
「今結構練習に気合入れてるんだよ」
 陽太郎はこう狭山に話した。
「実際な」
「それっていいことだよな」
「ああ、そう思う」
 自分でも言うのだった。
「本当にな」
「そう。部活に熱中できるのはいいこと」
 これは椎名も言った。
「それができるに値する部活なら」
「そうじゃない部活もあるのね」
「その部活による」
 椎名はこう津島に告げた。

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