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才能売り〜Is it really RIGHT choise?〜
Case2-2
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ゃなぁい? そもそもの話、こんなところまではるばる来たのはあたしの恋が原因なんだから。それにきらっちが面白がってついてきたんだから。
 灯さんは、あたしのその言葉を聞くと優しく笑った。
「君は野次馬じゃないんだね。わかった、この才能屋、承るよ。ああ、紹介が遅れたね。僕は外道坂灯、現代に舞い降りた自称『悪魔』さ。ま、腐れ外道でも灯さんでも、好きなように呼んでくれていいさ」
 その瞳には、茶目っ気がある。あたしは彼のそんな態度に緊張を解いて、あたしの願いを口にした。
「あたしって、可愛い?」
 でも、口から出たのは違った言葉だった。
 あたしは知りたかったんだ、知り合いじゃない他の人から見た、あたしの顔がどう見えるかってことを。
 あたしは言った。
「あたし、きれいになりたいんです。あたしってブスだから、好きな先輩に見向きもされない。だからあたし、きれいになりたいんです!」
 あーあ、言っちゃった。言っちゃったよ、言っちゃった。
 そうだねぇ、と灯さんは目を細めた。
「正直な感想、君の見た目は人並み以下だよ。で、何だい? 君の願いは『きれいになりたい』でいいのかな? じゃあその代わりに何をくれるんだい?」
 人並み以下。初対面の人に、そう言われた。あたしはこの日のために精一杯着飾ったのに、それでも顔の醜さはは変わらないんだ。ショックだよぉ。
 そうだよ、あたしはきれいになりたいんだよ。こんな顔なんか大っ嫌いだよ! でも代わりに、か。代わりに何をあげられるのかなぁ? わからなくて、あたしはきらっちにきいてみた。
「ねぇきらっち、あたしって、何かあるのかな?」
 あたしはブスなだけの、あとはフツーのジョシコーセーだ。才能も何もあったものじゃないよ。顔がブスだから女子力だけは上げてきた。でも女子力をあげたら顔だけになっちゃうよぉ。きれいになりたいけれどそれだけは嫌!
 そうだねぇ、ときらっちは思案顔。しばらくして、彼女はぽんと手を叩いてあたしに言った。
「そうだそうだ! みなみん、料理うまいじゃん?」
 あっ、なるほど、料理かぁ。確かにあたしは料理上手だよ。その腕には自信があるの。だからその腕と同じくらいの美しさを手に入れられれば武藤先輩もあたしに振り向くかも? ナイスアイデアだよきらっち!
 あたしは嬉しくなって、はずむように灯さんに言った。
「決―めた! ねぇねぇともしー、あたし、自分の料理の才能をあげるから代わりに美貌をちょうだい! あたしのお願いはこんなカンジ!」
 カンペキでしょ? これで武藤先輩もあたしにイチコロだぁ。
 すると一瞬だけ、灯さんの顔に影が差したような気がした。
「……君はそれで、本当にいいんだね?」
 何言ってるのさ。さっさとあたしに美貌をちょうだい!
 あたしの返事を聞くと、灯さんは深くう
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