384部分:第二十九話 壊れてしまったものその三
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第二十九話 壊れてしまったものその三
「どんな理由であれこんなこと許される筈ないだろうが」
「その通り」
椎名もここでまた言う。
「絶対に許されない」
「もうな。俺はな」
陽太郎はあらためて星華に告げた。
「御前のこと友達とは思わないからな」
「えっ・・・・・・」
「絶交だ」
厳しい顔で告げるのだった。
「もう絶交だ。二度と話し掛けるな」
「嘘、そんな・・・・・・」
「嘘なんて言うかよ」
また言う陽太郎だった。
「こんな状況でな。言うかよ」
「じゃあ、もう・・・・・・」
「俺も声なんてかけないからな」
陽太郎の言葉は続く。
「絶対にな。声なんてかけるなよ」
「・・・・・・・・・」
「じゃあな」
喋れなくなった星華からだ。顔を背けた。そうしてだった。
月美にだ。声をかけたのだった。
「行こうか」
「えっ・・・・・・」
「だから行こうか」
月美には穏やかな調子だった。
「もうこんなところにいても何にもならないだろ?」
「それは」
「だからもう行こう」
陽太郎はまた月美に告げた。
「部活。行こうか」
「あっ、そうですね」
月美は用意太郎に言われて思い出した。
「じゃあ今から」
「行こうか」
「はい」
微笑んでだ。陽太郎のその言葉に頷いた。
そうしてだった。歩きはじめた彼の後ろについて行くのだった。
椎名もだった。星華達を見ることなく月美に告げた。
「行こう、つきぴー」
「部活にね」
「そう、身体を動かすのもいいことだから」
あえて星華達のことは言わなかった。嫌な思いをさせない為だ。
「だから」
「うん。それじゃあ」
月美はちらりと星華達を見た。三人は苦い顔になっている。そして星華は完全に我を失い呆然となっている。その彼女を見てだった。
月美はだ。ふと気付いたのだった。
「若しかして佐藤さんも」
「行こう」
しかしだった。ここでまた椎名が言うのだった。
「部活にね」
「え、ええ」
彼女の言葉で考えを中断させられてだった。
そうしてそのまま体育館裏を後にする。そして佐山達と合流する。狭山がすぐに椎名に対してこう言ってきたのだった。
「ああ、長かったな」
「そう?」
「しかも西堀さんまで一緒なんだな」
「何があったの?」
「何もなかった」
津島にもこう返す椎名だった。
「別に」
「ひょっとしてここで待ち合わせしてたとか?」
「そういうことか?」
「大体そんなところ」
あえて多くを話さないのはここでもだった。
「そういうことだから」
「そうか。まあとにかくな」
「これで話は終わりね」
「うん」
椎名は二人の言葉にこくりと頷いてみせた。
「そういうこと」
「よし、じゃあな」
「
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