第六十五話 志摩の海賊その一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第六十五話 志摩の海賊
一行は船乗りが操る船に乗せられて遂に志摩まで来た、その志摩の港に入ってだ。愛実はすぐにこんなことを言った。
「奇麗な湖とお空っちゃ、泳ぎたくなる位っちゃ」
「そうですね」
紅葉も愛実のその言葉に頷く。
「西瓜割りなぞをしたくなりますね」
「そうっちゃな」
「海の家にも行って」
「それもいいっちゃな」
海の家と聞いてだ、愛実はさらに笑顔になった。
「海の家で食べるものは何かっちゃ」
「普通にラーメンや焼きそばを食べるよりも」
「美味しいっちゃ」
「海を見てそれで潮を感じつつ食べるので」
「普通に食べるのもいいっちゃ」
「本当にそうですね」
「海の家?この島にはねえぜ」
船乗りは二人の話を聞いて彼女達に後ろから告げた。
「砂浜で遊ぶ連中の為の食いもの屋はあるけれどな」
「海の家ではないっちゃ」
「その呼び名ではないですか」
「湖の家っていうんだよ」
この島ではこの呼び名だというのだ。
「何しろこの島には海がないからな」
「それでっちゃな」
「湖の家になるのですね」
「ああ、最初は湖のお宿って名前だったらしいがな」
「宿ではないっちゃな」
「泊まりませんので」
「それで名前が変わったんだよ」
その湖のお宿からというのだ。
「湖の家にな」
「そうっちゃな」
「その様に変わったのですね」
「そうなんだよ」
実際にというのだった。
「これがな」
「言葉にその場所が出るっちゃからな」
「そうなりますね」
「ああ、あと水着はな」
船乗りは二人に笑ってこちらの話もした。
「こっちの島のは西の島のと変わらないぜ」
「そういえばぜよ」
当季がここで言った。
「こっちの世界では水着だの下着だのはトランクスだのショーツだのあるのう」
「ああ、褌もあるけれどな」
親父は当季にも明るく笑って応えた。
「そうした水着や下着が主流だな」
「そうじゃのう、昔の世界っちゅうに」
自分達が起きている世界の服の歴史からだ、当季は考えて述べた。
「トランクスが売っちょってわしは驚いたぜよ」
「それは普通だろ」
親父は完全にこの世界にいる人間として当季に返した。
「俺だってトランクスだぜ」
「こっちの世界では違ったぜよ、こうした時代は皆褌だったぜよ」
この下着だったとだ、当季は話した。
「そうだったぜよ」
「へえ、そうだったのか」
「おう、おなごは穿いてない娘もおったちゅうのう」
「下着は穿かないと駄目だろ」
すぐにだ、船乗りは当季に反論した。
「やっぱりな」
「冷えるし汗も吸わんしのう」
「あと汚れるだろ」
下着を穿かずにそのまま下半身を覆う服を着るとだ。
「だからな」
「よおなおう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ