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戦国異伝供書
第四話 治世の功その十四
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「そして好まれぬ」
「殿にとっては困ったことだとか」
「ははは、それで前民達が直接多くの酒を持って来たな」
 信長の善政に感謝してだ、彼等が信長が自分達の村に来た時にどうぞと献上したのである。信長は民達にこそ最も慕われているのだ。
「あの時の殿はすぐに民達にそなた達が飲めと言われたな」
「はい、それがしもそれは見ました」
「酒は常にそう言われておるが」
「それは、ですな」
「飲まれぬからじゃ」
 その酒をというのだ。
「そう言われておるが」
「それが、ですな」
「民には伝わっておらぬな」
「殿は酒を飲まれぬ」
「あれが柿なら大喜びであられたが」 
 信長の方もだ。
「酒となるとな」
「飲まれませぬな」
「激しいところもおありなのでよくそう思われるが」
 酒好きだとだ、信長が。
「しかしな」
「その実は。ですな」
「そのことが本当に伝わっておらぬな」
「そのうち伝わるでしょうか」
「殿自身隠しておられぬしな」
 酒を飲めぬということをだ、だから信長も宴の場では酒を口を付けた後でその後は水等を飲むのが常である。
「だからな」
「そうなっていきますか」
「そう思うがな」
 前田としてはだ。
「まあすぐにではないわ」
「このことが広まるのも」
「そうじゃ。そのうちじゃな」
 こう慶次に話した。
「別に急ぐ話でもないであろう」
「ですな、焦らずにですな」
「このこともわかってきたわ」
「政は焦らずですな」
「じっくりと腰を据えてな」
「行うものですな」
「このこともわかったわ」
 まさにというのだ。
「わしもな」
「そうでありますか、ではそれがしも賊の征伐については」
「励むな」
「そうさせて頂きまする」
「その様にな。とかく今当家は政で忙しい」
 あらゆることにだ、信長が国を豊かにする為に次から次に政を打ち出して領土にした全ての国でそれを勧めているからだ。
「お主もじゃ」
「はい、励んでですな」
「天下と殿の為に役立つのじゃ」
「それでは」
 慶次も賊の征伐ならと頷いた、そしてだった。
 慶次は実際にこの時飲んでからすぐに信長から直接都の賊の征伐の仕事を言われ松風に乗り朱槍を持ってだった。
 都で悪さをしている者達を成敗した、それで都を治めている信行に言われた。
「うむ、これでな」
「はい、都はですな」
「その治安がかなりよくなった」
「それがし田畑や街や城や堤のことは出来ませぬが」
「賊の征伐はじゃな」
「出来ますので」
 それでというのだ。
「これからもどんどんやらせてもらいます」
「頼むぞ。では都の政はな」
「勘十郎様がですな」
「これからもしていく」
「ではお励み下さい」
「そうしていくぞ。わしも兄上に許して頂いてな」
 こ
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