猫娘と期末試験編
NO.067 とある夏のひと時
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子なのだ。
これから先、変な奴がちょっかいをかけてきて男のままの気持ちでほいほいと付いて行ってしまうかもしれない。
それを想像しただけで嫌な気持ちが爆豪の中で膨れ上がった。
だから多少でも女性としての自覚を感じてもらわないといつか自身も痛い目を見ると思った爆豪はある決断をする。
「おい、デク……」
「ん……?」
未だブツブツと呟きながらも考えに耽っている出久がこちらへと振り向いてきたタイミングで、ちょうど出久の背後は壁だったために爆豪は壁に思いっきり腕を付きながらも顔を出久へと迫らせる。
「か、かっちゃん……?」
「なぁ、デク……てめぇはまだ俺の事を異性と思っちゃいねぇんだろうがよ、もうてめぇは女だって事は分かってるよな?」
「う、うん……」
「だったらこれからすることは分かるな……?」
「ッ!? だ、駄目だよかっちゃん……」
鈍感な出久でさえ何をされるかわかってしまった。
部屋の中にはいるのは出久と爆豪だけ。
さしずめ光己が部屋に入ってこないために爆豪が鍵はかけた。
密室の中で男と女。
何も起こらないわけがない。
もう、出久の胸の鼓動は早鐘のように鳴り響いていて頭は真っ白になって何も考えられなくなっていた。
ましてやこんな状況では詰んでいるに等しい。
そんな状態の中で、
「…………ま、冗談なんだけどな」
「え……?」
そんな言葉とともにあっさりと幕引きがされた。
「え、な……?」
「てめぇは女としての自覚が足りないんじゃ! そんなんじゃいつか悪い男どもに騙されんぞ。もっと気を張れ気を!」
「う、うう〜……かっちゃんの意地悪!」
もう涙目になっていた出久はさっきの気持ちを返せと言わんばかりであった。
そのままグダグダな感じでお開きになったので、帰る際にはヒントをくれた事に感謝はすれど、終始恨みがましい視線を爆豪に浴びせていた出久であった。
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