猫娘と期末試験編
NO.067 とある夏のひと時
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要もないんじゃねーかってな」
「確かに……」
「それに、複数の個性持ってんだからよ。爪に炎を宿らせるみたいに『変化』の個性を複合してみたらどうだ……?ちょうど『許容重量限界を無くす』なんて個性も持ってんだから無理無茶なんてし放題じゃねーか。うらやましいぜ」
茶化すようにそう言う爆豪だったが、すでに出久の脳内では様々なシミュレーションが試行錯誤していた。
そして今、爆豪の部屋の中だけで出来ることが一つだけ思いついたのだ。
「かっちゃん。ちょっと試してみてもいいかな? 部屋は壊さないから」
「なにをだ……?」
「うん。ちょっと見てもらってもいいかな」
そう言いながらも出久は爪を『爪の伸縮自在』の個性で伸ばした。
「僕は普段、これにさらに『爪の硬質化』を合わせて使うのがオーソドックスな運用法なんだ。そして『炎術』でさらに強化する計三つの個性がこれの限界だと思っていた。
だけど、ここにさらに『変化』の個性を上乗せする!」
瞬間、爪の太さは三倍以上にも膨れ上がり、まるで五本の爪がその一本一本が出刃包丁のような太さを体現していた。
「これは……また凶悪なフォルムになったな、おい……」
「うん。そしてこの強化に多分腕は耐えられないと思うから、もう一回『変化』を使用する……選択するのは部分獣化って感じかな?」
今度は腕だけが獣毛が生えていき猫の手になった。
「そして最後に、『身体強化・怪力』(それとワン・フォー・オール)を合わせて今までとは一線を画した強化ができる……と思うんだ」
「なるほどなぁ……面白れぇじゃねーか。即興にしてはうまくいってんじゃね?」
「うん……(それに、今はかっちゃんには言えないけど、変化の個性で全身を半獣化にすれば耐久度が上がってフルカウル状態は少なくとも50%以上は発揮できるかもしれない……)」
そう考えている出久。
そこにさらに爆豪がとある話を出してきた。
「なぁ……? その変化ってのはもともとは妖術だったんだろ?」
「うん。フォウがそう言っていたからね」
「ならよ。もしかして変化の制限とかがないんじゃねーか? さっきも言ったが猫以外にも変化できるかも知んねーぞ」
「それは……ありえるかもね。用検討課題だね」
そんな感じで二人の会話は盛り上がりを見せていって、気づけばかなりの時間が経過していた。
仲の改善ができたことによってここまで自然に会話ができるというのも出久が嬉しく思っている気持ちである。
だが、ふと爆豪は先ほどの光己との会話を思い出していた。
『男の甲斐性』とかなんとか……。
そして『女性の経験に乏しい』とも……。
今、出久は爆豪と男友達のような感覚で話をしているのは見ていて分かった。
だが、もう出久は男子ではなく女
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