猫娘と期末試験編
NO.067 とある夏のひと時
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わよ?」
「バッ!? ざっけんな!! なんで俺がデクなんかを!?」
思わず声大で叫んでしまい、
「ど、どうしたの? かっちゃん?」
「ッ! な、なんでもねーわ……」
出久が心配そうに話しかけてくるが、爆豪はなんとか高鳴る鼓動を隠すことができた。
「フフフフ……頑張んなよ、若人」
「うるっせぇ! 消えろや!!」
光己はそれはもういい笑顔を浮かべながらも離れていった。
やはり年期が違うためにうまくやり過ごせられてしまった事にやりきれない思いになる爆豪。
だが、いつまでもクヨクヨとしてはいられない。
それで、
「はぁ……まぁ、行くぞ、デク」
「うん」
言葉に疲れが見えるものの自分の部屋へと案内していく爆豪と付いていく出久。
二人は部屋に入るなり、すぐに話を始めようとする。
出久と爆豪は真面目ゆえに夏休みの宿題など特訓の為にはとうに終わらせているタイプであるためにそんな話はせずに、
「そんじゃデク。さっさと始めんぞ?」
「わかった。それじゃかっちゃん、ちょっとこれ見てもらってもいいかな?」
背負ってきたいつものリュックから一冊のノートを取り出して爆豪に渡す。
爆豪は受け取ると開いてさらっと読み進めていく。
ノートの中には今まで判明してきたフォウの個性と運用法などがびっしりと書かれていたのだ。
「相変わらずこまめに書かれてんなー……」
「うん。あ、かっちゃんのデータが書かれているノートもこんな時のために持ってきてあるけど、見る?」
「…………後でな」
「そう? わかったよ」
言葉を返した爆豪は平然としていたが、内心では汗を盛大に掻いていた。
データとは聞こえはいいが、この出久のデータを見るだけで分かる膨大な情報量。
それゆえに、今までずっと観察されていたであろう爆豪のデータとはどんなものなのかと……戦慄を感じざるえない爆豪だった。
ここで出久は改めてヒーローマニアなのだという事が分かる一幕である。
そう思いながらも、爆豪は読み進めていくにつれて気になる点を発見した。
「おい、デク」
「ん? どうしたの、かっちゃん」
「あのよ……お前の使う猫化する個性って、確か『変化』だったよな?」
「うん」
「それよ? ただ猫の姿になるだけの個性なのか?」
「えっ……?」
爆豪にそう言われて出久は思わず脳が高速回転し始めたのを感じた。
スイッチが入ったとも言う。
「かっちゃん……そこのところをもっと詳しく話してみて……」
「わ、わかった……」
すごい剣幕の出久に思わずたじろく爆豪。
だがなんとか話を再開する。
「ただよー……今までてめぇは猫に変化して大きくなったり小さくなったりしてきたじゃねーか? でもよ、わざわざ猫の姿に固執する必
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