05.猫達は人狼ゲームをするそうです。
第1回 朝起きたら突然、目の前に血塗れの黒猫が居た。でも、実際は猫じゃ無くて人間です。
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ふと琴葉が体を起こし、辺りを見回す。周りには、洋館の庭のような景色が広がっていた。それを見て、あ、懐かしー、とポツリと言葉を溢す。そう、ここは2週間前にさよならを言ったばかりの、10人のプレイヤーを閉じ込めたVR、バーチャルリアリティの世界なのだ。まぁ、閉じ込めたと言っても、1時間と数十分だが。
「にしても、良く出来たVRねー………五感がしっかり働いてる。……味覚は分からないけど」
此れは「フルダイブ型」と呼ばれる類のゲームなのだろう。琴葉がそう考えるまで、あまり時間は掛からなかった。
琴葉は幼い頃から触れる機会が無かったため、「ゲーム」という物には疎い。故に、前回のデスゲームは、能力者が作った異世界に飛ばされたと思っていたと言う。だが、今回はゲームについて調べてみたので、最近のゲームは全て把握しているつもりらしい。
「今回もまた豪華なメンバーで………」
若しかすると、前回より豪華じゃね?と呟くと、琴葉はメンバーを確認する。
前回はレン、琴葉、涙、宙、アリサ、ユリア、響也、千尋、フラン、葉月の10人がメンバーだった。真逆の、K猫のトップ4人に、猫の幹部と上級構成員達プラス、白猫トップ2の幹部様と言う、これまた豪華なメンバーだった。
今回は、レン、琴葉、涙、宙、アリサ、ユリア、紫苑、輝、葉月、紗耶香、凛の11人がメンバーだ。猫のトップ8人に、白猫の幹部様。此のメンバーが組めば、直ぐに戦争が出来る位の豪華さ。前回はK猫の首領が言うという、バランス崩壊が激しいメンバーだったが、今回は大丈夫そうだ。
さて、皆を起こして回ろ。琴葉がそう決めたときだった。
あれが視界に映ったのは―――――
「ぎゃああああぁぁぁぁぁあああ!!!!」
琴葉は絶叫し、出来るだけ"あれ"から距離を取る。彼女の叫びは、気を失い、倒れていたメンバーを起こすのには十分だった。
「………ど、如何したんですか? 琴葉さ……うわぁぁああああああ!!?」
「……う、るせぇな。なんだよ………ってうおぉぉぉぉおおお!?」
「…………ふぁあ………如何したんですか………わぁぁぁああああああ!?」
「………琴葉、うるさ……うわああぁぁぁあああ!!?」
「………皆さん、どうし……わぁぁぁああああああ!!」
「………五月蝿いぞ………ヒッ……!!」
「……なーにー! って、わぁぁぁああああああ!!?」
「……う・る・せ・ぇ・よ!!……って、ぎゃああああぁぁぁぁぁあああ!!」
「…………騒がしいですね! どうし……おおおおぉぉっ!!」
「…………!!」
全員が悲鳴を上げた"あれ"とは――――――
一人の人間の死体だっ――――
「グレースぅぅぅううううううう!!!!」
「は?」「い?」
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