第60話
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かうとしよう。」
「ええ……!」
「はい……!」
そしてリィン達は導力バイクに乗って演習地に向かい始め
「……よろしかったのですか、オルキスタワーから抜け出したリーゼアリア嬢の件を伝えなくて。」
「ああ……リーゼアリア嬢の件に気が取られて、要請に集中できないという事態には陥って欲しくないし、そもそもリーゼアリア嬢は”彼女”と共にいるのだから、そんなに心配する必要はないしな。」
クロスベルから去って行くリィン達を見ていたリセルはヴァイスに訊ね、訊ねられたヴァイスは静かな表情で答えた。
「”彼女”……ミューズ―――いえ、”並行世界の公女ミルディーヌ”ですか……一体彼女は何が目的で、リーゼアリア嬢をオルキスタワーから連れ出した挙句、ユーディット様達との会談の手筈を整えたのでしょう……?」
「さてな……公女の真意については公女の事を良く知るユーディ達に任せているが…………ひょっとしたら、リーゼアリア嬢をオルキスタワーから連れ出し、ユーディ達との会談に挑もうとする公女は”俺達の世界の公女”かもしれないぞ?」
リセルの疑問に対してヴァイスは真剣な表情で自身の推測を口にして、演習地がある間道に視線を向けていた―――――
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