第60話
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アルティナは呆けた声を出してユウナを見つめた。
「………ケンとナナがあたし達の目が離れている隙に、外に出て行ったわ。……後から事情を聞いたらイアン先生や遊撃士の人達に魔導兵達がうろつくクロスベルの状況を何とかして欲しい事を頼む為に外に出たそうだったけど…………二人が外に出た事に気づいたあたしは慌てて、二人の後を追って外に出た。そして外に出てあたしが二人に追いついて見た光景は――――魔導兵達の攻撃によって重傷を負って倒れている二人だった。悔しかった……何であたしはこんなにも無力なんだろうって。入ったばかりの警察学校の訓練は何の役にも立たなくて……せめてこの子達の盾にってケンとナナの上に覆いかぶさった……その時だった――――銃声が聞こえた後疾風のような速さで銃撃で怯んだ魔導兵達を撃破した黒髪の青年の剣士だった。仲間の軽そうな雰囲気を纏わせている槍の騎士や深窓のお嬢様のような雰囲気を纏っている黒髪の銃使いの女性騎士、そして漆黒の傀儡を操る不思議な女の子と一緒にあたし達の周りにいた魔導兵達を撃破して………黒髪のメイドと蒼銀の髪の女性は重傷を負ったケンとナナに治癒魔術で治療して、二人が負った重傷をあっという間に傷痕一つなく治してくれて………あたし達の命を掬いあげてくれた。」
もう大丈夫だ。立てるか――――?
かつての出来事を思い返していたユウナは手を差し伸べてくる1年半前のリィンやその様子を見守っているリィンの周りにいる仲間達――――当時のセレーネ、エリゼ、アルティナ、ステラ、フォルデの姿を思い返していた。
「手を差し伸べて来たのは黒髪の青年の剣士で………それが………後の”灰色の騎士”って呼ばれる”あの人”のロイドさん達――――”特務支援課”と合流する直前の出来事だった………」
ユウナが当時の出来事を語り終えたその頃、リィン達はツァイトに見送られてインフィニティの外に出た。
〜中央広場〜
「それでは殿下―――じゃなくて、オリビエさん。」
「よろしくお願いいたします。」
「フッ、こちらこそヨロシク頼むよ。いや〜、しかしこの格好はやっぱり解放感があっていいねぇ。時間があれば歓楽街の劇場あたりでゲリラライブでもしたかったんだが。」
「そ、それはできればまたの機会ということで………」
「わたくしとしてはできれば、永遠にその機会が訪れてほしくありませんわ。」
オリビエがふと呟いた言葉にリィン達と共に脱力したマキアスとアルフィンは疲れた表情で指摘した。
「でも歓楽街の劇場……”アルカンシェル”の事ですよね?」
「ああ、看板女優が怪我して一時的に公演は休止していたそうだが、”二大聖女”による治療で怪我をしていた看板女優が治療されてから、僅か半年で公演
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