第60話
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かべたレンの言葉に続くように苦笑しながら呟いたサフィナの話を聞いたセシリアはある事を思い出していた。
「オリヴァルトお兄様!?」
驚きの声を上げたアルフィンに対して髪をかき上げて返事をした”演奏家”に変装したオリヴァルト皇子――――オリビエ・レンハイムはリィン達に近づいた後端末に映るティオに話しかけた。
「フッ、ティオ君とは久しぶりにかな?ボクの事は”漂白の詩人”、オリビエとでも呼んでくれたまえ。エレボニアの放蕩皇子とはあくまで別人なのだからね♪」
「いや、無理があるでしょ………」
「変装するなら、せめてギュランドロスみたいに顔を隠すような努力くらいはするべきだと思うのだけど〜?」
「アハハ………ギュランドロス陛下も正直バレバレな変装ですが………」
「……まあ、変装する事もせずいつもの姿で城や大使館を抜け出しているリフィアよりはまだマシかとは思いますが………」
「エ、エリゼ………」
オリビエの自己紹介にセリーヌが呆れている中からかいの表情で指摘したエルファティシアの感想にセレーネは苦笑しながら答え、ジト目になってある人物の事を口にしたエリゼの様子を見たリィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
「………4年前のリベール旅行で名乗られた肩書きのようですが………」
「その、交流会関連の行事はどうされるおつもりですか……?」
「フッ、あくまでそちらはリーゼロッテが本命だからね。放蕩皇子はテーマパークを借り切って”みっしぃ”と戯れている事にするさ。」
「うふふ、という事はサフィナ元帥閣下とセシリア将軍閣下もテーマパークで”みっしぃ”と戯れている事にされているのでしょうか♪」
「あの……我々はちゃんとリィン達に助太刀する事をエフラム殿下達にもお伝えしていますし、クロスベル帝国政府にも伝えていますよ?」
エマの質問に対してウインクをして答えたいい加減過ぎるオリビエの答えにリィン達が冷や汗をかいている中からかいの表情を浮かべたシャロンに話を振られたサフィナは疲れた表情で反論した。
「フッ、不幸中の幸いと言うべきか………今回はお目付け役もいないからね。」
「殿下………」
「で、ですが、皇族の方が……!」
「いや――――今回ばかりは”皇族だから”こそさ。」
オリビエが自分達に同行する事に反対するマキアスの言葉に対して意外な答えを口にしたオリビエの答えにその場にいる全員は驚いた。
「クロスベルのこの状況――――是非を述べられる立場に僕はない。…………だからこそ今回だけは自分の身体を張る必要があるんだ。クロスベルを愛する人々の想いに正面から向き合うためにも。そうリーゼロッテに告げたら溜息まじりだが賛成してくれてね。リーゼ
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