再会した友の姿に
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「オーガスト様の魔力には誰も叶いませんわ」
ウェンディの治癒魔法をコピーしたオーガストが自身の最大限の力でカミューニの死を退けた。だが、彼はダメージがあまりにも大きかったのか、動くことができない。
「別に治したいならいくらでも治せ。すぐにトドメを刺してやればいいだけなのだから」
ティオスは目の前で身動きを取れなくなっているカミューニに拳を放とうとした。しかし、彼を間一髪でソーヤが救出、ことなきを得る。
「天使の力・・・翼を広げることでそれを完全に解放したということか」
ダメージを受けている気配のないティオスを冷静に分析するオーガスト。そんな彼にエルザは問いかけた。
「あなたならティオスの魔法をコピーして相殺できるのでは?」
魔導王と呼ばれる彼にしかできない戦法。もちろんそれは彼の頭の中にある。だが、踏み切れない一つの理由が存在した。
「さっき、私は奴の魔法を相殺しきれなかった。奴の魔力に私の魔力が負けている証明だ」
オーガストはティオスの魔法の勢いに押し込まれてしまったことが気になっているらしい。二人の魔力が高すぎて、他のものたちからすればどちらが大きいかの判断は行いづらい。しかし、オーガストは確実にその差を感じ取ってしまっていた。
「それでも、私以外に奴に対抗できるものはいないか」
それでもオーガストは先陣で戦うことを決意した。彼には意地でも守らなければならないものが出来てしまった。それを守るためには、自らの犠牲を考えてはならない。
「・・・」
その様子を見てティオスは押し黙っていた。彼の額から流れ落ちる汗。それが一体何を意味しているのか、誰にもわからない。
「これで終わりだ!!ゼレフ!!」
その頃戦況に大きな変化がある場所があった。グレイとゼレフが対峙している妖精の尻尾だ。
「自分の命を・・・存在を消したところで・・・この魔法は氷で対象者を閉じ込めるだけの魔法」
グレイが選択した魔法、それは絶対氷結。それもただの絶対氷結《アイスドシェル》ではない。自らの存在をこの世界からなかったことにし、全てのエネルギーを魔法に注ぎ込む消失絶対氷結《ロスト・アイスドシェル》。
「僕は殺せない」
「お前を殺したらナツも死んじまう!!だから閉じ込めるんだ!!永遠に!!」
ENDであるナツはゼレフが死んだ時、運命を共にすることになる。グレイはそれを防ぐために、あえてこの魔法を使用することを決意した。自らの命を賭けるこの魔法に。
「永遠などない!!やがて氷は溶け、僕は復活する!!」
「その時までの平和は手に入るんだろ?妖精の尻尾
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