再会した友の姿に
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継がれているはずだったが、人間と天使の混血・・・完全には受け継がれていない。それでもシリルは多少のダメージの緩和はこれまでもできてはいたのであろう、ゆえにティオスはその能力を開花させ、混血の彼ができる最大限のダメージ緩和能力を手に入れた。
「なるほど・・・俺に頭を撃ち抜かれたのに生きてたのはそう言う理屈か」
シリルが天使の子供と言われるといきなり納得するのは難しいが、カミューニは天狼島でのことを思い出し、頷いていた。彼の魔法に頭を撃ち抜かれていたのに生還できたのは運だけではない。それだけのものを彼が持っていたからなのだ。
「納得している場合ではないぞ」
「そうだぜ!!つまり奴にほとんどの攻撃が効かないってことになるのか!?」
オーガストとコブラの焦りの声。ティオスは攻撃のダメージを最小限に抑えることができる。それはつまり、この戦いが相当厳しいことを伝えるのには十分だった。
「いや、そうでもないだろ?」
しかし、そんな中でカミューニだけは別の感触を捉えていた。
「確かにこいつは多少ダメージは軽減できるのかもしれない。だが、こいつは俺に腕を切り落とされている。完全には防げないことの証明だ」
完全な天使だったら・・・ヨザイネだったら先の攻撃も受け流せていたのであろう。しかし、ティオスはそうじゃない。これまでに多少なりともダメージを受けているのだから。
「そうだな。だが、これまでのように行くかな?」
カミューニのもっともな意見を受けてもティオスは余裕な表情を崩さない。それが感に触ったのか、カミューニは思わず突進を仕掛けた。
「その余裕の面、すぐに引き剥がしてやる!!」
自らの魔力を手のひらに宿しティオスに連続で突きを放つ。
「波動乱舞!!」
波動を手に纏っての乱れ突き。一撃一撃も大きな威力があるにも関わらずこの連打・・・普通の魔導士であれば、失神ものだったであろう。そう、普通の魔導士なら。
「だから言ったろ?もうこれまでのようには行かないと」
「!?」
漆黒の翼を生やしたティオスは平然と立っているのだ。傷ひとつ体に付けることなく。
「バカな・・・」
「何もバカなことはない。これが真実であり、俺と君たちとの違いだ」
そう言って放たれた拳はカミューニの肉体へと突き刺さった。
「ガハッ!!」
「カミューニ!!」
悲劇の再来が予想された戦場。しかし、これまでとはひとつだけ、確実に違うものがある。それは・・・
「治癒魔法の使い手がおるのは心強いな」
他者の魔法を一瞬でコピーすることができるこの男がいるからだ。彼は杖から緑色のオーロラのようなものを放つと、貫かれたカミューニの体を治癒させる。
「私の治癒魔法より回復力が高いです!!」
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