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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
再会した友の姿に
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ヒュンッ

互いの約束を口にした瞬間、天海はアクノロギアの目ですら捉えられない速度で急加速した。次に彼が姿を現したのは、青年の目の前。

「本気で来ないと、死ぬことになるぞ」

拳を突き刺す天海。アクノロギアはそれに反応することもできず、血反吐を吐いた。

「うぬは・・・一体・・・」

人間の力とは思えない圧倒的な実力。それをまざまざと見せつけられているアクノロギアは膝をつきながら男の顔を見上げた。

「俺は天海。他のものは全て捨てた、ただの天海だ」

親を殺したあの日、過去の自分と決別した。名字も名声も全てを捨てて、たった一人の人間として歩んできた。

「我は・・・我は・・・」

それを聞いて黙っていられるはずもない。アクノロギアは沸々と怒りを沸き上がらせ、天海へと襲い掛かった。

「そうだ、それでいい」

全ての力を込めて向かってくるアクノロギア。その一撃を彼は平然と片手で受け止めた。

「バカな・・・」

呆然とすることしかできないアクノロギア。恐怖に体が震え始めている彼に蹴りを放つと、地面を転がる彼を見て一言。

「早くお前と殺りたいよ、ティオス」

















「あれがエドラスのお前か、ヴァッサボーネ」

天界では、自分たちでは歯も立たなかった相手を圧倒している男性を見て、ドラゴンたちは口を閉ざしていた。

「あれだけの実力・・・敵に回すと厄介だな」

彼ならアクノロギアを倒せるかもしれない。その希望が見えたことと同時に、一つの不安が芽生える。それは、標的を失った彼の次なる行動についてだ。

「また多くの死者が生まれては、元も子もないが・・・」

天海の手で多くの人間が命を落とした。その事を踏まえると、アクノロギアを彼が倒してしまったら、その後はまたしても世界に絶望を叩きつけるのではないか。そんな不安が脳裏を過る。

「それをなんとかできるのはあの子だけよ」

そう言ってヨザイネがアップしたのは、片腕で多数の魔導士に向き合う水髪の青年。

「ティオス・・・目を覚ますのは今のはずよ」

不安な表情で彼を見つめる天使の姿は、母親のそれと類似していた。
















アクノロギアと天海、二人の戦いが繰り広げられている後方では、ここまで形勢を逆転されたと思われていたティオスが、笑っていた。

「天海、お前が来たら俺は・・・」

数回その場で跳び跳ねる。彼はゆっくりと自らの体の調子を確かめると、先頭に立つ緋色の絶望を見据える。

「負けるわけにはいかないじゃないか!!」

気合い満点で地面を蹴った彼はアイリーンの懐に一瞬で飛び込む。そのまま腹部に
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