第5話 過去と少年
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優しすぎた。同時に、強すぎた。
一方的に勝ち続ける自分を、嫌悪した。
相手のやられる様が、まるで抵抗も許されず殴られ続けた自分のようで。
罪悪感に少年は苦しみ続けた。
だが、その罪悪感すら、彼は自分の心に?をついて逃れられるようになった。
否、そうしなければ狂ってしまうと、本能が逃れさせた。
そうして、次第に少年は希薄になって────気づけばそこには、『シグ』だけが残っていた。
────だが、少年は思い出してしまった。
いづなを見て、自分が失ったモノ────シグになる前の、絶望する前の少年を。
それが、人を騙す罪悪感を再燃させた。
そして、今────仮面の剥がれたシグは。
否、シグではない弱々しい少年は、正気に戻った少年は。
暗く淀んだ、あの日汚れてしまった目を────涙で濡らし続けた。
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