最終章:夢を追い続けて
第75話「そして……」
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を見聞きできないのはちょっと不便だからな。
=out side=
「ねーねー、ここはこうしたらいいんじゃないかな?」
「んー?……やべっ、見落としてた」
「危ないねー」
牢屋……とは名ばかりの、実際はただ単に人が普通に暮らせるような部屋の中で、束と桜は机に大量の紙を広げ、コンピュータのキーボードを叩いていた。
「(……全く理解できん)」
二人がやっているのは、世界を発展させるためのアイデアや開発論。
そのため、二人の見張りをしている者がそれを覗いても全く理解が出来なかった。
「っと、修正して……よし」
「後はここを調整して……うん、オッケー」
組み立てていた理論の一部を修正し、それに伴う調整を終わらせる。
本来ならそんなあっさりと出来るはずがないが、ここにいるのは天才二人だ。
これぐらいなら、少し本気を出せば出来てしまうのだ。
「次は……インフラ関連でもするか?」
「そうだね。じゃあ―――」
それからもしばらくの間、桜と束の会話は続いていった。
「ふい〜、ひと段落ひと段落」
「頭を使うと甘いものが欲しくなるよねー」
与えられた食事を済ませ、桜と束は一旦休む。
いくら超人的なスペックを持っていても、疲れるものは疲れるのだ。
「……皆、どうしてるだろうな」
「さぁねー。情勢はわかっても、個人の動きまではわからないよ」
以前なら、自前の人工衛星などで確認できたが、今は衛星の機能を止めている。
そのため、二人は秋十達が今何をしているのかはわからなかった。
「何人かは、わかるんだけどねぇ」
「ブレイブデュエルだよね?上手い具合にISと成り代わってくれて助かるよ」
完全な娯楽でありつつも、非常に完成度の高いVRゲームであるブレイブデュエル。
その人気が高まるのは止まらず、既に世界中に知られていた。
それこそ、ISの存在に成り代わるように、話題を掻っ攫っていったのだ。
……尤も、そうなるように桜と束も協力していたのだが。
「うーむ、やってみたい」
「わかるよー。なんたってVRゲーム、だもんね!いいなぁ、私たちも忙しくなかったらやってたのになぁ」
「まぁ、事を運んだ俺ら自身に責任があるからな。やりたいならさっさと次のアイデアを出さないと」
「そうだね」
超人気ゲームであるブレイブデュエルに思いを馳せながら、二人は作業を再開した。
「(俺と束で世界技術の発展に貢献し、刑期を縮める……か。本当、こんな都合のいい案をよく通したな……)」
作業の中、桜は
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