暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第四十五話 二学期になってその十八

[8]前話 [2]次話
「その子とね」
「その子?人じゃないんですか?」
「あっ、何でもないから」
 今度ははぐらかされた感じでした。
「とにかく頑張ってね」
「受験をですか」
「そうだね、まずは受験だね」
「そうですよね」
「それを頑張って合格して」
 大学にというのです。
「それから阿波野君にも色々と教えてあげてね」
「先輩宜しくお願いします」
「ええ、おみちのことならね」
 私は阿波野君に真面目に返しました、相手が誰でもおみちのことなら真剣に教えずにいられません。
「こちらこそ宜しくね」
「はい、これからも何かと」
「教えさせてもらうわ」
「まだまだ何も知らないので」
「高校入ってからよね、本格的な勉強はじめたの」
「天理高校入学するまでは」
 実際にという返事でした。
「そうでした」
「じゃあまずは教典や教祖伝を読んで」
 まずはこの二冊の本からです、何といっても。
「予習としてね」
「授業でやる前にですね」
「そう、一度位は最後まで読んで」
「それからですか」
「ておどりもしてるでしょ」
 天理教独特の手足を使って踊るものです、よろづよ八首と十二下りがあって月並祭の時とかに踊ります。
「授業で習ってるでしょ」
「はい、あれですね」
「あれもDVDが売ってるから」
 それでというのです。
「自分で勉強するといいわ」
「それで何といってもひのきしんですね」
「そう、おみちはお勉強だけじゃなくてね」
「ちゃんとですね」
「行動も伴わないといけないから」
 こうした教えです、むしろ学問よりも行動が大事です。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ