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空に星が輝く様に
376部分:第二十八話 見られたものその七
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第二十八話 見られたものその七

「コーヒー道ってないからな」
「凝ることはあってもな」
「コーヒーは確かに素晴しい」
 椎名はそれは認めた。
「けれどお抹茶は道。それは修羅の道」
「何で修羅なのよ」
 津島は椎名の今の言葉に呆れた顔で返した。
「そこでどうしてそうなるのよ」
「事実激しい道だから」
「座ってるだけなのに?」
「わびさび、一期一会」
 椎名は茶道の言葉を口にした。
「まさにそれ」
「そこに激しさがあるのね」
「その通り。緊張がある」
「人と人のやり取りだからなのね」
「そういうこと」
 椎名が言いたいのはそこだった。
「だから」
「ううん、それ考えたら茶道って」
 津島もここで考える顔になって述べた。
「厳しいのね」
「だから道」
「そういうことになるの」
「そういうこと。それじゃあ」
 こう話してであった。椎名はその罠をかわしたのだった。三人の策は彼女には効果がなかった。そうしてであった。
 放課後にだ。四組に向かおうとする。三組の六限目の終わりが少し遅れてしまったのだ。これは偶然だったがそれでだった。
 彼女はだ。見たのだ。出会ったのではなくだ。
 教室でだ。星華達が月美を囲んでいた。そうしてだ。
 何かを言っていた。ここでだった。
 椎名はあえてクラスに入らずにだ。見ることにしたのだった。そして聞くことにもした。
 見て聞いているとだ。四人は月美にきつい目で言っていた。
「ちょっといいかしら」
「話あるけれど」
「来るわよね」
「あの、一体」
 月美は戸惑いながら四人に応えている。おどおどとさえしている。気圧されているのが椎名から見てもはっきりとわかるものだった。
「何が」
「話は体育館裏でするわよ」
 星華がそのきつい目で告げるのだった。
「そこでね」
「体育館裏ですか」
「そうよ、そこよ」
 そしてだった。星華に続いて三人も言ってきた。やはり彼女達もきつい顔になっている。少なくとも普段の表情ではなくなってしまっている。
 その顔でだ。彼女達も月美に言うのだった。
「今から来なさいよ」
「選択肢ないからね」
「いいわね」
「は、はい」
 月美は怯えながらも頷く。両手は縮こまり拳になっていても胸の前で引っ込められてしまっている。その姿で四人に応えていた。
 椎名は月美がそうなってしまっていることに怒りを覚えた。無論四人に対してだ。しかし今はあえて前に出ずそして見ているだけだった。
 そして見ているとだ。今度はだった。
 星華がだ。月美に言う。
「来るわよね」
「体育館裏ですよね」
「そうよ、今からね」
 こう告げるのだった。
「来なさいよ」
「ほら、こっちよ」
「いいわね」
「今からだからね」
「わかりました
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