提督、里帰りする編
提督、里帰りする。その1
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
賜物では?」
加賀よ、ツッコミがキツいぞ……orz少し落ち込んだ気分のまま、俺達は東京駅へと向かい、そこから東北新幹線へと乗車。一路俺の故郷である町に一番近い新幹線の停車駅である八戸を目指す。東京〜八戸まで約3時間の旅路だ。途中、東京駅で買った駅弁を肴にこれまた東京駅で買った酒を飲む。これに乗ったのも30年ぶり位になるか……少ししんみりとしてしまう。
『間もなく、八戸駅に到着します』
車内アナウンスが流れる。フライトの疲れもあったのか、全員ぐっすりと寝込んでいる。
「お前ら起きろ!降り過ごすと北海道まで行っちまうぞ!」
少し乱暴に揺さぶって、全員を起こす。バタバタと荷物とゴミを抱えて降車口から降りると、
「さぶっ!」
全員の口を突いて出たのはこれだった。流石に東北とブルネイの夏を比べたら寒いに決まってるか。まぁ、涼しいのは有り難い。
「う〜っし、こっからローカル線に乗り換えて、一時間もすりゃあ俺の故郷だ。実家に顔出して、じいちゃんの墓参りしたら残りは観光だからお前ら気ぃ抜くなよ?」
は〜い、とここでも良い返事。そういう所の団結力はあるんだよな、こいつら。八戸駅の新幹線ホームからエスカレーターで一旦メイン通路に上がり、複数あるローカル線から俺の実家の最寄り駅まで走る八戸線に乗り換える。昔は紅白の地味な感じだったが、今はシルバーにブルーのラインが入った車体になっている。導入された当時は
『京〇東北線かな?』
なんてツッコミを入れられてたらしいが。
「ありゃ、パンタグラフが無い」
「当たり前だろ秋雲。こりゃ電車じゃなくてディーゼル機関車だぞ?そもそも雪国で電線張ってたら冬場は鉄道全部イカれるぞ」
「へ〜、そうなんだぁ」
興味深そうにスケッチする秋雲。実際、東京等の都心で積雪があると鉄道がストップする、なんてニュースをよく見るが、あれは電車に電気を供給する架線やパンタグラフが積雪で上手く動かなくなるせいだ。
「さぁ、ごちゃごちゃ言ってねぇで乗り込め。そろそろ出るぞ」
俺達が乗り込んで座席に座ると、列車はガタンゴトンと走り出した。窓を開ければ、海沿いを走る八戸線らしく潮風が吹き込んでくる。南洋のブルネイとは少し違う潮風の懐かしい香りが、帰ってきた事を強烈に意識させる。さぁ、実家までもうすぐだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ